レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百八話 ライン川へその八
「しかも中にいる兵はか」
「精兵揃いです」
「騎士団の者達なのですから」
「この国の兵は強いです」
「訓練は行き届き軍律は厳しく」
「精兵です」
「そうだよな、堅固なうえに守る連中は強い」
それならというのだ。
「そう簡単にはな」
「攻め落とせないですね」
「ベルリンやライプチヒはこうした形ではないですが」
「やはり堅固とのことです」
「だからどの城もすぐに攻め落とせてないな」
堅固な城を精兵達が守っているからだというのだ。
「道理だな」
「左様ですね」
「そして我々はこれよりですね」
「この要塞を攻め落としますね」
「そうしますね」
「ああ、難攻不落でもな」
そう言われていてもとだ、久志は述べた。
「絶対に攻め落とせない」
「そうした城塞もないですね」
「だからですね」
「ここはですね」
「攻め落としますね」
「ああ、数と装備で攻め落とせないなら」
それならとだ、久志はさらに言った。
「頭を使っていくか」
「そうですね、ではです」
「ここはどうして攻めますか」
「知略といいますと」
「色々あるな、水源を絶ったり逆に水攻めにしたり」
久志は近くの川を見てまずはこちらの話をした。
「下から穴掘ったりな」
「そして中に入る」
「そうして攻められますね」
「攻め方は色々ですね」
「知略でも」
「空からもあるしな、あとな」
久志は城の方を見てさらに話した。
「城の中に死体放り込むとかもあるそうだな」
「死体ですか」
「それはまた強烈ですね」
「心理的ダメージを与えますか」
「そうして」
「それに加えて死体って腐るからな」
このこともあると言うのだった。
「それで疫病も流行るしな」
「そうして城の中に疫病を流行らせる」
「そのやり方もありますか」
「攻め方も色々ですね」
「こう考えますと」
「ああ、しかし死体放り込むのは流石にな」
久志は苦笑いでこの戦法について話した。
「したくないだろ」
「はい、確かに」
「疫病はこちらに来るかも知れません」
「その可能性もあります」
「そう考えますと」
「これは、ですね」
「それに非道もいいとこだしな」
死体を敵の中に放り込む戦術はというのだ。
「ちょっと以上にな」
「左様ですね」
「流石にそれはどうか、ですね」
「その攻め方は」
「ああ、だからな」
それでと言うのだった。
「これはしないな」
「わかりました」
「ではその攻め方はしないでおきましょう」
「我が軍としては」
「その様にしましょう」
「そういうことでな、あと水攻めも」
次はこの攻め方について考えた。
「この要塞一見平地の上にあるけれどな」
「実は丘の上にあります」
「高台です」
「そして川も城攻めに使うには」
「どうにもですね」
「距離が離れてるしな、それにな」
久志はさらに言った。
ページ上へ戻る