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八条学園騒動記

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第六百十八話 チョコレートも食べてその四

「我々のスラム街はです」
「とてもですね」
「あれだけ豊かではありません」
「中流でも」
 マウリアでもとだ、ベッキーは話した。
「連合のスラム街と比べますと」
「引けを取りますね」
「それ位違います」
 まさにというのだ。
「連合の豊かさは」
「その豊かさも素晴らしいですね」
 ラメダスも言うことだった。
「連合は」
「そう思います、何もかもが発展していて豊かです」
「そうですね」
「はい、ですが」
 それでもというのだった。
「やはり落ち着くことは」
「ないですね」
「どうしても」
 それはというのだ。
「マウリアです」
「落ち着く国は」
「そうです、ただこのチョコバナナは」
 今食べているそちらに再び思いを馳せた。
「これからもです」
「召し上がられたいですか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「先程の連合のアイスも、そしてクレープも」
「あちらもですね」
「そう思っています」
 こうラメダスに答えた。
「私は」
「そうですか」
「美味しいので」
 それ故にというのだ。
「あまりにも」
「それではですね」
「はい、お家に帰っても」
「お食事の時のデザートで」
「そちらでもです」
「そして今の様にもですね」
「召し上がりたいです」 
 こうも言った。
「是非」
「そうですか」
「はい、ただ」
「ただといいますと」
「シェフの方はこうしたお料理は作れないですね」
 召し抱えているデザート担当の者はというのだ。
「そうですね」
「マウリアのシェフですから」
「どうしてもですね」
「マウリアの味になります、ですが」
 それでもとだ、ラメダスはセーラに話した。
「お嬢様のご要望でしたら」
「連合の味で、ですか」
「作ってくれます」
「そうですか」
「お嬢様にお仕えしているので」
 それでというのだ。
「ご主人様のお願いならです」
「聞いてくれますか」
「私達は諫言もさせて頂きます」
 ただそれをしたことはセーラに仕える者でした者はいない、それはセーラがあまりにも聡明でかつ優れた人格者だからである。
「ですが道に通ったご要望なら」
「聞いてくれますか」
「お料理の味でしたら」
 これならというのだ。
「道に通ったものですから」
「人のですね」
「粗末な味でいいという教理もです」
「ないですね」
「ヒンズー教は牛を食べてはいけません」
 このことは強く言われている。 
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