オズのジンジャー将軍
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七幕その六
「僕達はね」
「そうなんだね」
「うん、実はね」
「いや、しかしね」
今度はマツカサトカゲが言ってきました。
「君達と出会えて僕達も嬉しいよ」
「それは何よりだね。ただね」
カルロスは次から次に出てきた生きもの達を見て言いました。
「君達も多彩だね」
「将軍のお家の果樹園は広くて自然も豊かだけれど」
神宝も言いました。
「生きものも多彩だね」
「そうだね、これまでも沢山の生きものを見てきたけれど」
ジョージはその彼等を見ています。
「今もこうして集まるからね」
「こうして見ると」
今度はナターシャが言いました。
「本当に自然豊かな場所ね」
「ただ色々なお菓子や果物があるだけじゃないのね」
恵梨香の口調はしみじみとしたものでした。
「生きものもこうして色々いるのね」
「柵は周りにしているけれどね」
家の壁としてです、ご主人がお話してくれました。
「けれど小さい生きものが入る分にはね」
「いいんですね」
「そうなんですね」
「この子達が入ってきても」
「別にいいですか」
「柵はしていても」
「そうだよ、お菓子や果物を食べるには僕達の許可が必要だけれど」
ご主人達のお家のものだからです。
「それでも別に入るにはね」
「構わないですか」
「こうした小さな生きもの達は」
「別に構わなくて」
「それで、ですか」
「今もこうして皆いるんですね」
「そうなんだ、ただ犬達がパトロールをしているのは」
それはどうしてかといいますと。
「収穫とね、食べたいならね」
「あっ、犬の皆も家族だから」
「それで、ですね」
「皆も許可を出す」
「そうするんですね」
「食べたいなら」
「うちのお菓子や果物は幾らでもあるから」
量はかなりです、実際に。
「食べてもいいけれどね」
「やっぱりそうしたことはしっかりしませんと」
ワインが見張り役の場所から言ってきました。
「よくないですからね」
「だからです」
サフランも言ってきました。
「僕達もパトロールして皆に会って食べたいならどうぞって言ってます」
「うちのものですから私達の許可が必要ですが」
それでもとです、ふわりも言いました。
「食べたいというなら絶対に出しますよ」
「オズの国で惜しむことはないですから」
桜もこう言います。
「だからです」
「本当に次から次に実りますからね」
この果樹園のお菓子や果物はとです、ビスケットも言いました。
「ですから」
「好きなだけ食べていいんですよ」
レモンは笑顔でお話しました。
「皆。ですが」
「その前に家族がいいと言ってから」
杏仁も笑って言います。
「それからです」
「それなら幾らでもですから」
メイプルは赤ちゃんの揺り篭の横から言いました、ちゃんとお守りもしています。
ページ上へ戻る