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巨大兎は可愛い

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第一章

                巨大兎は可愛い
 ウサギと言っても色々である。
 ワシントン州シアトルのスミス家に遊びに来た人はその兎を見て驚いた。
「何この兎」
「コンチネンタル=ジャイアントよ」
「クンクン」 
 九キロはありそうな兎だった、優に五十センチを超えている。色は茶色である。
「大きいでしょ」
「ええ」
 メイジー、家の主婦で金髪碧眼で凛々しい顔の彼女に答えた。
「凄いわね」
「うちの下の子、メイシーの二歳の誕生日に来てもらったの」
「そうだったの」
「プレゼントにね」
 誕生日のそれにというのだ。
「トイレトレーニングもしてお散歩もね」
「出来るの」
「そちらのトレーニングもしたから」
 それでというのだ。
「私に寄り添ってくれてるの」
「リードしてないの」
「そうなの、それでいつも子供達とね」 
 上の子のヘンリーとその下の子のメイシーと一緒にいる。二人共金髪碧眼だが息子は父に似て丸顔で娘は母親そっくりだ。
「一緒にね」
「遊んだりしているのね」
「そうなの」
「いい子なのね」
「凄くね、ちなみに雄よ」
 メイジーは性別の話もした。
「それで名前はココアパフよ」
「そう言うのね」
「もう家族に欠かせない」
「そうした子なのね」
「そうよ、この子がいるから」
 その大きな兎を見てさらに話した。
「私達は幸せなのよ」
「そうなのね」
「それで今度ね」
 メイジーはさらに話した。
「イギリスにこの子と一緒に行くけれど」
「旅行に?」
「イギリスのある街に同じ種類の兎を飼っている人がいるそうなの」
「そうなの」
「ツイッターでそう言われたから」
 それでというのだ。
「今度ね」
「イギリスに行くの」
「ええ、そうするわ」
 こう言ってだ、メイジーは。
 ココアパフと幸せな家庭生活を楽しんだ、そのうえで。
 彼を連れてイギリスへの旅行に出た、そして。
 そのコンチネンタル=ジャイアントを飼っているアネット=エドワーズの家に行った。アネットは白髪で明るい顔の老婆で夫と共に暮らしていた。
 一家で彼女の家に行くと。
「うわ、これは」
「凄いね」
 子供達がまず驚いた。
「ココアパフも大きいけれど」
「この子達それ以上じゃない」
「一メートル超えてるよ」
「どちらの子もね」
「ダライアスっていうの」
 アネットは一家にまずは大きい方の兎を紹介した。どちらも毛は薄茶色である。
「お父さんよ」
「一体どれだけの大きさですか?」
 夫のリードが問うた、眼鏡をかけていてブラウンの髪をセットしている。グレーの目と長身がかなり印象的だ。
「この子は」
「一三二センチよ」
「それは凄いですね」
「それで体重は二十二・五なの」
「うちの子の倍以上ですか」
「クンクン」
 そのダライアスは一家の足下で大人しくしている、身体は大きいがそれだけだ。 
 その彼と彼の子供を見つつだ、アネットはさらに話した。 
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