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ずっと一緒の犬と猫

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第二章

「今日もだな」
「来ているわね」
「本当に毎日来ているんだな」
「グレイシーがいないのにね」
「そこまで好きなんだな」
「そうね、グレイシーにとってあの子は一番の友達だけれど」 
 妻は夫に話した。
「あの子にとってもね」
「グレイシーは一番の友達なんだな」
「だからね」 
 その為にというのだ。
「ああしてね」
「グレイシーがいなくてもか」
「いない間でも」
「毎日来るんだな」
「猫の人の言葉がわかるから」
 そう聞いているからだというのだ。
「お話をしているけれど」
「グレイシーは暫くいないことをか」
「何時帰って来るかもね」
 このこともというのだ。
「そうしていたけれど」
「それでもだな」
「毎日来るの。やっぱり仲がいいから」
「色々思うところがあってか」
「来てるみたい」
「そうか、じゃあその間はおやつを出すが」
「もう出してるわ」
 妻は夫に笑顔で答えた。
「もうすぐしたらグレイシーも退院するし」
「今は一匹だけで食べていてもな」
「また二匹で食べられるわ」
 笑顔でこう話した、そしてだった。
 夫婦も子供達もグレイシーの退院を待ち望んだ、その間もベビー=グレーは毎日家の庭に来た。そうして。
 グレイシーが退院して家に帰って来ると。
「ニャンニャン!」
「ワン!」
 二匹はお互いに庭の中で駆け寄って。
 すぐにお互いの身体を摺り寄せ合った。グレイシーは尻尾をパタパタと振ってベビー=グレーは喉をゴロゴロと鳴らした。
 そうして二匹で遊んでおやつを食べて日向ぼっこをした。シアはそんな彼等に笑顔でこう声をかけた。
「これからまた一緒よ。よかったわね」
「ワン」
「ニャア」
 二匹は彼女に目を細めさせて鳴いて応えた、そしてこの日一緒の時間を楽しんで次の日もまた次の日もだった。
 彼等は毎日同じ時間を過ごしていった、そうして。
 一家はそんな彼等を見て笑顔になった、二匹の絆を見て自然にそうなった。それがこれ以上はないまでに素晴らしいものだったので。


ずっと一緒の犬と猫   完


                   2021・6・18 
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