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鶏の盲導犬

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第二章

「自分から」
「そうもなってくれているんだな」
「タージは元々優しい子だから」
 妻は彼の性格のことも言った。
「だから」
「そうしてくれるんだな」
「そうね、けれどタージはあまり身体が強くないから」
 それでとだ、ここで妻は夫に言った。
「だからね」
「僕達も頑張ろうな」
「それ以外にも。タージの負担を減らす為にも」 
 まさにその為にというのだ。
「他にも犬に来てもらいましょう」
「そしてタージと一緒にか」
「ペリを助けてもらいましょう」
「タージだけじゃなくてか」
「どうかしら」
「それじゃあ優しい性格の子を探してもらって」 
 夫は妻のその提案を聞いて頷いて述べた。
「そうしてな」
「そのうえでね」
「タージと一緒にな」
「ペリを助けてもらいましょう」
「そうしよう」
「ええ、それじゃあね」
 妻は夫が自分の意見に賛成してくれて素直に喜んだ、こうして二匹の犬があらたに家族として迎えられた。
 黒いピットブルと白いピットブルだった、両方共雄である。夫は妻に二匹を紹介して話した。
「二匹共雄だ」
「タージと同じね」
「黒い子がグレイシーでな」
 次に名前を話した。
「白い子はアレックスだ」
「そうなのね」
「二匹共とてもいい子だからな」
 それでというのだ。
「僕達にも懐いてくれるし」
「タージとも仲良くしてくれて」
「そしてペリもな」
 彼女もというのだ。
「きっとな」
「大事にしてくれるわね」
「兄弟じゃないのにもう仲がいいだろ」
 その二匹を見ながら妻に話した。
「そうだろ」
「ええ、兄弟みたいよ」
 妻は一緒にいる二匹を見て夫に答えた。 
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