レーヴァティン
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第二百六話 冬の進軍その八
「かなり真剣にな」
「考えていきますか」
「魔神は複数、何柱もな」
「いることもですね」
「有り得る、誰も一柱って言ってないからな」
「魔神『達』の可能性もありますね」
「ああ」
実際にというのだ。
「このことはな」
「そうですね」
「魔神が一柱とは限らない」
「そのことはこれまで考えていませんでしたね」
「そうだったな」
「魔神というだけで」
まさにそれだけでというのだ。
「何柱いるかとはです」
「どの書でも全く書かれていないな」
「そうでしたね」
「ああ、そしてな」
久志は考える顔になりさらに言った。
「そもそも世界全体を石にして海に沈められる」
「これは恐ろしい力です」
源三はこう言った。
「実に」
「そうだよな」
「神にしましても」
「そこまで出来るなんてな」
「かなり高位の存在です」
「唯一神とかな」
「ギリシア神話でも限られています」
そうしたことが出来るまでの力を持つ神はというのだ、源三は頭の中にある神々の逸話から検索しつつ述べた。
「非常に」
「ゼウスとかポセイドンとかな」
「ハーデスか」
「一つの世界の主神位だな」
「そうかと」
この三柱の神々がギリシア神話で非常に強い力を持つ神々だ、兄弟であるが衝突する時も多い様である。
「他の神話でもです」
「主神クラスだな」
「これは日本でも同じです」
「そうだよな」
「ですが一柱でなくです」
「神々、だとな」
久志はその目を鋭くさせて話した。
「それだとな」
「より容易にことを進められますね」
「ああ、そう考えるとな」
「このことはですね」
「真剣にな」
「考えていくべきですね」
「魔神が一柱とは限らない」
またこのことについてい言った。
「何柱もいる可能性がある」
「本当にそうですね」
「ああ、それじゃあな」
「海の魔神については」
「もっと柔軟に考えていくか」
「それがいいですね」
「神様は一人とは限らないんだ」
久志は腕を組み考える顔でさらに言った。
「唯一神だってその下に大勢の天使がいるしな」
「そうです、ただイスラム教では」
「あの宗教は神様の力が凄いからな」
「まさにこの世を統べる存在です」
「アッラーはな」
「こうしたことも容易いでしょう」
「そこまでの力があるな」
久志もイスラムのことはある程度でも知っているので頷いた。
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