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イベリス

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第八話 速水の訪問その十

「それで、です」
「すぐにですか」
「こちらまで来てくれましたか」
「はい、ではこれよりです」
「お話ですね」
「咲のことで」
「宜しくお願いします」
 こう話してだった。
 速水は玄関からリビングに案内されそこで紅茶と苺のケーキを出してもらってそのうえで話に入ったが。
 速水は二人そして咲に微笑んで話した。
「放課後、九時までということで」
「アルバイトをですね」
「咲にですね」
「してもらいたいです、事務所の受付と」
 それと、というのだ。
「お掃除やお茶をです」
「用意する」
「そうしたお仕事ですか」
「占いは私がしますので」
 肝心のことはというのだ。
「お嬢さんはです」
「雑用ですね」
「そちらをですね」
「してもらいます、時給は千五百円で」
 それだけでというのだ。
「週三回か四回です」
「高い時給ですね」
「それはまた」
「千五百円とは」
「高校生にしては」
「そうでしょうか、私はそれだけのお金は普通に出せますが」
「私アルバイトしたことないですが」
 その咲も言ってきた。
「高校生で時給千五百円は」
「高いですか」
「流石に」
「ではどれ位でいいでしょうか」
「半分では」
「そうですか、では間を取って九百円で」
「それだけですか」
「千円と考えましたが」
 それでもというのだ。
「それも高いと思いましたので」
「だからですか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「それでいいでしょうか」
「それでお願いします」
「欲がないですね、千五百円といいますと」
 速水は微笑んで述べた。
「普通にです」
「出せますか」
「そうですが。では九百円で」
「お願いします」
「交通費は出します、ただ福利厚生は」
「それはですか」
「普通です」
 そうなるというのだ。
「あと休日は十二時から九時までもです」
「ありますか」
「その時もお願いします」
「わかりました、部活土日はお休みみたいですし」
「それならですね」
「お願いします」
 休日もというのだ。
「是非」
「わかりました、ただ」
「ただといいますと」
「私は時々いなくなります」
 速水は微笑んで咲にこうも話した。
「仕事で」
「お仕事で、ですか」
「渋谷で占いをしているのは事実ですが」
「それでもですか」
「他にも依頼を受けてです」
 そうしてというのだ。 
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