八条学園騒動記
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第六百十六話 いい鉄は釘にはならないがその一
いい鉄は釘にはならないが
文化祭の見回りをしながら二年S1組の担任であるマリアは一緒に見回りをしている同僚の先生達に言った。
「いい感じですね」
「はい、おかしなお客さんもいますが」
「そうした人はすぐに捕まっていますし」
「生徒達も頑張っていて」
「いい感じですね」
「確かにそうですね」
「これなら」
マリアは微笑んで話した。
「いいですね」
「はい、最後までこうなら」
「もう言うことはないですね」
「最高の文化祭になりますね」
「生徒達の記憶に残りますね」
「学校では先生は何か」
マリアはこうも言った。
「教える立場ですが」
「それでもですね」
「主役ではないです」
「主役はあくまで生徒です」
「このことは覚えておかないと」
「そう言われて」
そしてというのだ。
「私もです」
「教師になりましたね」
「学校にいるのは生徒であり」
「彼等が主役である」
「教師とは教える立場ですが」
「主役ではないと」
「華はです」
それはというのだ。
「生徒にありますね」
「主役はあくまで生徒である」
「それが学校ですね」
「そして教師は何か」
「脇役ですね」
「その生徒達を教え導く」
「そして立派に成長してもらう為の存在ですね」
こう言うのだった。
「私達は」
「はい、本当に」
「我々はそうした立場で」
「学校は生徒達が学び成長する場」
「それが学校ですね」
「そうですよね」
マリアはその通りだと頷いた。
「間違っても私達は主役ではありません」
「はい、脇役です」
「そのことは変わらないです」
「若しそこを勘違いしますと」
「過ちを犯します」
「そうなりますね」
他の先生達にも話した。
「よく先生様という言葉がありますが」
「とんでもないです」
「教師は普通の仕事です」
「様付けされるなぞありません」
「絶対に」
「それはないです」
「そうですよね。先生は軍の士官と似ているという人もいますが」
連合ではこうしたことを言う人もいる、尚連合では軍人は立派な職業の一つであり士官は管理職と考えられている。
「世間の評価は違いますね」
「士官の人達は管理職」
「立派な人達です」
「ですが先生は何か」
「もうヤクザ屋さんと変わりないです」
「そう思われています」
「実際に犯罪率多いですからね」
連合の教師の犯罪発生率は他の職業に比べて圧倒的に高い。
「そうですし」
「犯罪発生率はヤクザ屋さん並です」
「暴力犯罪に性犯罪」
「飲酒運転も多いです」
「収賄もですし」
「いじめや恐喝も枚挙に暇なく」
「教師イコール犯罪者とも思われていますね」
このことについてはマスコミ関係者も同じである。
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