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それから 本町絢と水島基は  結末

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4-⑶

 階段教室の授業の時、慎二の提案で、みんなでキャンプに行こうよってなって。前の席は、絢と茜ちやん、それと音楽科の坂本詩織で、その後ろの席に僕と慎二、光喜の3人だ。その6人で行くことになった。坂本詩織は県内の出身なんだけど、遠いので女子寮に入っている。

 9時半に、スーパーの前で集合して買い出しをして、電車で1時間、バスに乗り継いで30分、そこから15分程歩いて、キャンプ場に着いた。慎二は、6人用のバンガローを借りていた。女の子達はそんなこと知らなかったので「えぇー いやだぁー そんなの」って言っていたが、絢は

「仕方ないんじゃない その方が楽しいかも みんな仲間だし この人達は変なこと出来ないよ」

「すまない 絢ちゃん 一つしか取れなかったんだ 隠していたわけじゃぁ無いんだけど、別に良いかなって思ってたんで」と慎二は言い訳していて、少ししおれていた。

 中は二段ベッドが、三つあって、結局、女子が上で下が男子になった。風呂はもちろん、トイレも外だ。部屋の真ん中に木で作った大きめのテーブルと小さな冷蔵庫があるだけのシンプルな建物だ。とにかく、まず、お昼を食べようと、ハーベキューコーナーで用意を始めた。ドッグ用のパンとフランクとキャベツで良いよねと、みんなが言っていたので

「俺、火をおこすよ この前で慣れているから 誰か、キャベツ切って 炭でやるホットドッグはうまいぞー 空気もいいし」

 と、慎二はいつもの元気に戻って、張り切っていた。詩織ちゃんが手際よく、キッベツの準備をして、直ぐに準備は整った。

「詩織 指大切にしなあかんのに、包丁なんかええんか」と絢が気遣っていた。

「平気 平気 慣れとるし」 彼女はピアノ専攻らしい。

 炭が赤くなりだしたので、みんなは「もういいんじゃない」と言い出したんだが、慎二は

「まだ、もう少し、まだ焼くと臭いが付く もう少し待った」
 
 待つ間、カメラが趣味の茜ちゃんがみんなの写真を撮りまくっていた。絵の題材にもなるそうだ。少し、待ったホットドッグは、みんながおいしいと感激していた。食べ終えて、側の川で釣りを始めたんだが、誰も釣れず、結局間もなく夕食の準備をすることになった。

 肉とか野菜を焼きながらだったが、傍らで、僕らはビールを飲んでいたら、横で詩織ちゃんも、プシューとしだした。皆の視線を集めて

「えへー 普通だよ 寮でも先輩とやっているし 珠に、日本酒だよ 田舎でも飲んでいたし」

「さすがに、地元の女の子はすごいな 美波も平気だしな」と僕が言うと

「みんな、そうじゃないよ 茜ちゃんなんか地元だけど、そんなことないし 田舎だけじゃないの」と、地元の県立高校出身の光喜

「なによー 田舎を差別しているのー」と詩織ちやんが返していた。

「まぁまぁ 同じ地元同士で言い合ったって仕方ないじゃない 関西が3人も居るんだし」と茜ちゃんがとりなした。彼女は市内の名門私立高校出身なので環境が違ったのだろう。

 途中で、花火をやったり、ゲームをしたりして、だらだら食べていた。詩織ちゃんが、気分が高ぶってきたのか

「ねぇ 慎二は好きな女の子いるの? 吉川さんのこと気になっているみたいだし、水泳部の子とも仲いいし、茜ともいい感じだから」

「あぁ それを言うな 誰が好きって みんな好きなんだよな もちろん、詩織も好きだよ」

「駄目だよ 慎二君は 私も最初は気安い人でいいなって思ったんだけど、結局チャラ男なだけでさ 誰にでも、いい顔するんだよ 人間的には、良い人だと思うけど」と、茜ちやんが付けくわえた。

「でもな 慎二は、本当は、真面目で責任感の強い奴なんだよ だから、簡単に告白もしないんだよ」と僕はフォローした。

「そういう言い方もあるけど、女からしたら、優柔不断とも取れる ねぇ、茜」と少し、絡んでいるのかなと思えた。

「べつにー それぞれだから・・」と茜ちゃんも困っていた。

「まぁ みんな仲良くやっていけば、良いんじゃない」と、しらけるとも、冷静とも取れることを光喜が言っていた。

 バンガローに帰った後、トランプしていたが、もう、寝ようとなったら、絢が

「モト君 トイレ ついてきて・・」

 トイレは別棟で橋を渡ったところにあるのだ。

「えー 怖いのか」と僕は、言ってしまった。

「そんなんちゃうけど 襲われたら、モト君、責任とってよ」と、一緒に出ようとしたら、他の
ふたりもついてきた。

 僕は、一瞬、絢にキス出来るチャンスかなって思っていたのだが・・。それどころか、帰ってきたら、着替えるから男子は外に出てと追い出されてしまったのだ。

 
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