八条学園騒動記
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第六百十五話 またコーヒーを淹れるその十
「それでよ」
「エウロパがいい国に思えるんだな」
「裸の王様の服は馬鹿には見えないでしょ」
「そう言って騙していたな」
「王様をね」
「それで殆どの人が見えるって言ったな」
王様のその服をだ。
「そうだったな」
「自分を馬鹿と思われたくないからね」
「王様も大臣もな」
「国の人達もね」
まさにその国の殆どの者がそうだった。
「そうだったけれど」
「子供が言ったでしょ」
「王様は裸だってな」
「そのお話の通りにね」
それでというのだ。
「馬鹿だとね」
「見えるんだな」
「逆説的にね」
「馬鹿には見えない服でもか」
「馬鹿にはね」
「エウロパが凄い国に見えるだな」
「そうね」
こう言うのだった。
「学校の先生にはね」
「日本だとね」
菅は自分の国そして今周りにいる友人達がいる国の話をした。
「二十世紀から二十一世紀そうだったよ」
「確かあれよね」
「学校の先生の多くが北朝鮮絶賛してたのよね」
カトリとジュディが応えた。
「そうだったのよね」
「そう聞いてるけれど」
「あの国が地上の楽園でね」
「素晴らしい国って言ってたのよね」
「そこに行けば幸せになるって」
「事実は違ったよ」
北朝鮮の実態はというのだ。
「もうね」
「そうよね」
「それも有名よね」
「究極の階級社会で」
それを制度化していた国だったのだ、尚北朝鮮は自称共産主義国家だった。
「国民が餓えている」
「それで国家元首だけ太っている」
「そんな国だったわね」
「軍隊にばかりお金を使っていて」
連合では考えられないことだ。
「それでね」
「内政は何もしない」
「そんな国だったわね」
「しかも共産主義なのに世襲で」
これも有り得ないことだった。
「それでね」
「そんな国を支持していて」
「地上の楽園って言ってたのよね」
「そんな先生が多かったから」
だからだというのだ。
「日本人としてはね」
「さもありなん」
「学校の先生なら」
「そう思うよ」
こう言うのだった。
「本当にね」
「そうなのね」
「歴史にあるから」
「これも当然」
「そうだって」
「その頃の日本の学校の先生もね」
このことも歴史にある通りだ。
「事実ね」
「酷い人が多かったのね」
「そうだったのね」
「というかね」
菅はさらに言った。
「日本の先生がそのままね」
「そのまま?」
「そのままっていうと」
「連合の先生になった感じがするよ」
菅としてはというのだ。
「どうもね」
「そういえばそうね」
カトリは菅のその言葉に頷いた。
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