北風よりも太陽で
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第二章
「言うだろ」
「ナポレオンかよ」
「あの人か」
「それ有名だな」
「人間必死にやればな」
そうすればとだ、喜三生はさらに言った。
「不可能はないだろ」
「まあそうだけれどな」
「人間そうして進歩してきたしな」
「不可能はないって言うとな」
「そうだな」
「だから俺もな」
また肉うどんを食べながら言葉を出した。
「その考えでな」
「北条さんに告白してか」
「交際するか」
「そうするんだな」
「ああ、そうしたいってな」
その様にというのだ。
「本気で思って言うんだよ」
「どうだかな」
「流石に無理じゃねえか?」
「お前顔も頭も悪くないけれどな」
「学校の成績は中の上でな」
「スポーツは部活で選手だし」
「性格も明るくて気さくで思いやりがあってな」
そうした性格でというのだ。
「いい方だしな」
「お調子者でおっちょこちょいな欠点あるけれどな」
「それでもな」
「まあ平均点は高いな」
「北条さんは成績は上の下だな」
「そこまで開いてないな」
中の上と上の下ならというのだ。
「あの人運動は普通だし」
「性格は今話している通り」
「まあ釣り合うな」
「それ位だな」
「お前が相手でもな」
「分際をだの不相応だの言われないな」
「これといって」
友人達も話していった。
「まあそういうの気にするならな」
「最初からこんなこと話せないな」
「そもそもな」
「そうだよな」
「ああ、例え北条さんがチートでもな」
そこまで能力が高くてもとだ、喜三生は言った。
「俺はな」
「告白してか」
「交際するか」
「そうするっていうんだな」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「俺も今言うんだよ」
「そうか、そこまで必死ならな」
「やってみろ」
「俺達は止めないからな」
「応援するぜ」
「何があってもからかったり囃したりしないぜ」
そうしたこともしないというのだ。
「そのことは安心しろ」
「当たって砕けろでいけ」
「転んでも泣くな」
「それでいけよ」
「ああ、それじゃあな」
喜三生は友人達に強い声で言った、そうして難攻不落とさえ言われている彩香に向かうことにした。しかし。
ここである友人が彼に言った。
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