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【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~

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ギルドに行って因縁をつけられる初心者用イベント

 突然声をかけられたのでそちらの方を見ると、悪役のコスプレのような格好をした男たちが立っていた。
 筋肉隆々の男がこの三人のボスであるらしく、どこか薄汚れた風の緑色のベストを着ている。
 他の二人も一見ぼろぼろの布をまとっているように見えるが、ジーンズをはき古してボロボロにした感じではなく、わざと穴をあけているようなそんな小ぎれいさが見える。

 いくつものピアスをつけているようにも見えるが、さっき動く時に一個ズレたのを俺は見ていた。
 おそらくあれはイヤリングだ。
 そんな彼らは棘付きの某のようなものや斧を持っている。
 彼らを、『ダイトさん達だ』ひそひそと話しながらギルドの冒険者や職員が話している。

 どうやらこの冒険者はこのギルドで有名らしい。
 そこでボスらしき男が俺に、

「こんなヒョロヒョロで冒険者が務まると思っているのか!?」
「え、えっと、冒険にも色々な種類がありますから」

 とりあえずそれを俺は答えた。
 実際に冒険者の依頼で、採取というものがある。
 必要な材料……まだ、普通に栽培に成功しておらず天然物を採取するしかない物もある。

 それらはそこまで、おそらくは大変ではない依頼だろうと俺は思っている。
 そう答えると、

「……女の子たちを侍らしてファッションのつもりか」
「えっと、彼女達【強い】ですよ?」

 俺はそう返した。
 実際に馬車に乗っていた時に遭遇した魔物を、気づけば倒していた。
 俺の出番はなかった。

 おかげで御者のおじさんからは、俺がよっぽど強いのか、それとも【ヒモ】なのかと誤解されるような視線を送られたが、リセが異世界転移者とばらしてくれたおかげで【ヒモ】扱いされずに済んだ。
 そういったのもあってそう答えるとそこで、先ほどの窓口のギルド職員が、

「ダイトさん、そちらの彼は【異世界転移者】ですよ。新人さんじゃありません」
「え! そうなのか? なるほどどうりで……一けにょわそうに見えたはずだ。ここに来る奴はそこそこ運動系だからな」
「異世界転移者の測定が入って、順番が前後したんですよ。新人さんはもう少し後です」
「もうちょっと早く連絡してくれ。ああ、すまなかったね。異世界転移者さん」

 そこでそのボスらしき人とその周りにいた人が柔和な表情になっ、にこっと俺に微笑みかけた。
 明らかにちょっと社会で悪い事をしていそうな雰囲気が無くなる。
 なんだろうと思っているとクレアが、

「やっぱり新人の【適正判断】でしたね」
「おや、お嬢さんもご存じか・ ちなみにこの制度を導入したのはこの町の、しかもこのギルドが初めてなんだぞ」
「それは知りませんでした。ただ新人の中で適正に問題がありそうな人物に声をかけて情報を探り挑発し、能力を見る……といったものがあるのは聞いています」
「ああ、合わないやつはとことん合わないから実際に手合わせをしてみているわけだ。それでも初めてのダンジョン入り口付近で逃げかえってくる奴もいるしな。とはいえそういう試験ではなく、だまして新人に話しかけて金を巻き上げたり、無賃労働させたりするやつもいるから、そういうやつらに真っ先にカモにならないようその辺も調べたり注意したりしているんだ」

 といった説明をされた。
 冒険者用の初心者テストと注意であるらしい。
 変わったシステムがあるんだなと思いっていると、ダイトさんが、

「それで異世界転移者か。うちにも異世界転移者がいて変わった能力を持っているが、どんな能力を持っているんだ?」
「ちゃちゃっと絵を描く能力です」
「……それは戦闘に役に立つのか? 絵を描く能力だろう? 攻撃用の魔法は?」
「ちょっと俺の魔法は戦闘に向かなくて」
「……それならギルドの裏方として働くのも手だぞ? 後は商業ギルドという手もあるが……」

 そう心配されたが俺としては、

「ですが一度くらいは冒険したいです。魔法を使って」
「あ……うちの転移者も同じような事を言っていたな。そうか。まあ一度経験すれば諦めがつくだろう。っと、話していたら、うちの異世界転移者が帰ってきたな。お^い、コジロー」

 そこでギルドの入り口から入ってきた、黒髪の俺と同じくらいの少年をダイトさんが呼んだのだった。
 
 

 
後書き
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