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オズのジンジャー将軍

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第三幕その六

「ですから」
「それでよね」
 ドロシーが応えました、様々なお菓子や果物が実っている木々の中を歩きながら。
「青が好きなのよね」
「お国の色ですから」
「だからよね」
「はい、とても」
「皆自分のお国のことが好きだから」
「そうなります、ただどの色も」
 青以外の色もというのです。
「好きです」
「そうよね」
「オズの国にいますと」
「嫌いなものはなくなるわね」
「はい」 
 実際にというのです。
「本当に」
「だから貴方達も」
「青が一番好きですが」
 それでもというのです。
「他の色も好きですよ」
「そうよね」
「私達それぞれの色も」
「そうなのね」
「大好きです」
「ご主人も奥さんも私達をいつもとても大事にしてくれるんですよ」 
 桜はその上で丸まっている尻尾をふりふりとさせてお話しました。
「ご自身達の子供として」
「家族としてよね」
「はい、いつも」
 そうしてくれているというのです。
「有り難いことに」
「それは何よりね」
「私達も大事にしてもらえると」
「嬉しいわよね」
「凄く。感謝しています」
 こうドロシーにお話するのでした。
「いつも」
「そうそう、心があるのは人間だけじゃないからね」 
 トトも言ってきました。
「他の生きものだってね」
「心があるわね」
「そうだよ、だから僕だってね」
 トトは今もドロシーの足下にいます、そしてその少し前をドロシーと同じ速さでとことこと歩いています、そのうえで言うのです。
「ドロシーに大事にしてもらっているからね」
「だからなのね」
「凄くね」
 本当にというのです。
「いつも感謝しているよ」
「そうなのね」
「僕だってね」
「そう、誰にだって心があるんだ」
 臆病ライオンの声は確かなものでした。
「だから大切にしてもらったらだよ」
「嬉しいのよね」
「僕はドロシーにもオズマ姫にも大事にしてもらってね」 
 それでというのです。
「本当に嬉しいよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「いつも一緒にね」
「仲良くしてくれているの」
「友達としてね」
「そう、ドロシーは皆を大事にしてくれるからね」
 かかしも言ってきました。
「皆がドロシーを好きなんだよ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「僕達もだよ」
「私の友達でいてくれているのね」
「そうだよ」
「私は皆が好きだから」
 ドロシーはかかしに答えました。 
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