レーヴァティン
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第二百四話 口の形の違いその三
「考えてみたら王国を先に倒しても」
「騎士団と連合王国の二正面作戦になります」
「北のバイキングは気になるが」
それでもというのだ。
「まずはな」
「騎士団ですね」
「騎士団を倒したら騎士団領だったところからも王国を攻められる」
「そしてこの半島と」
「西の半島からもな」
そこからもというのだ。
「だからな」
「ここはですね」
「ああ、騎士団だ」
この国だというのだ。
「そこを攻めるな」
「そう決断されましたね」
「やっぱり二つの敵を同時に攻めるのは厄介だ」
久志は難しい顔で述べた。
「騎士団と王国一度にはな」
「勝てる国力があろうとも」
「それぞれ戦力が分散してな」
「それぞれの国相手に作戦を立てねばなりません」
「何かと手間がかかるからな」
そうなることが明らかだからだというのだ。
「それでだよ」
「考えましたね」
「ああ、けれどな」
「考えた結果ですね」
「やっぱりよくないってな」
その様にというのだ。
「結論が出たからな」
「だからこそ」
「それはしないな」
「それが正しいよ」
淳二は久志のその決定に笑顔で賛同の言葉を述べた。
「やっぱりね」
「それはだろ」
「うん、確かに今の帝国の国力は騎士団領も王国も圧倒していて」
「両方攻めても勝てるな」
「そうなるよ、けれどね」
それでもというのだ。
「二国同時に攻めると」
「それだけ戦力を分散させるな」
「どうしてもね」
そうなるというのだ。
「それで戦力が少ない状況で戦うと」
「勝ってもな」
「損害も大きいよ」
そうなるというのだ。
「どうしてもね」
「そうだよな」
「圧倒的な軍勢で攻めてこそ」
「戦は損害が少ないからな」
「一対一だとそれだけ負担が大きくて」
「勝った方はかなりのダメージを受ける」
そうなるとだ、久志は指摘した。彼の頭の中には今戦力自乗の法則もありそれを頭の中に入れつつ淳二と話した。
「これが二対一だとな」
「楽に勝てるよ」
「ダメージも少ない」
「これが三、四となるとね」
「多ければ多いだけな、二人だとな」
久志はここでその戦力自乗の法則を述べた。
「戦力は四、三人だとな」
「九人だね」
「相手は一でな」
「こっちは九だったら」
「楽勝だな」
「こちらの数が多ければ多いだけね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「二国同時よりもな」
「どっちかに絞るべきだったし」
「絞ってな」
「正解だよ」
まさにというのだ。
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