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雨の中の猫達

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第一章

               雨の中の猫達
 アメリカバージニア州の動物保護区の近くに段ボール箱が置かれていた、保護区のスタッフ達はその箱を見てすぐに察した。
「おかしいですね」
「ええ、状況が」
「ちょっと調べてみますか」
「そうしますか」
 こう話してだった、
 彼等は雨の日に近くに置かれているその箱を調べた、中を見るとそこにだった。
「ニャ~~~・・・・・・」
「ナア・・・・・・」
「ニャ~~ン・・・・・・」
「ウニャ~~~・・・・・・」
 四匹の猫がいた、彼等は。
 白が少ない三毛の猫と茶色、白、雉の子猫の合わせて四匹だった。スタッフの人達はその猫達を見て言った。
「捨て猫か」
「そうですね」
「うちが動物保護区だから」
「それで捨てたんですね」
「絶対に保護されるから」
「全く」
 ここで彼等は顔を顰めさせて言った。
「よくそんなこと言えますね」
「全くです」
「命を何だと思っているのか」
「捨てること自体が間違いなのに」
「けれど」
 それでもとだ、彼等は話した。
「放ってはおけないですからね」
「この子達を保護しましょう」
「まずそうして」
「これからのことを考えましょう」 
 彼等も見捨てる選択肢はなかった、それでだった。
 猫達を保護区に入れた、そして身体も拭いて診察もした。幸い四匹共健康であったがそれでもだった。
「さて、これからどうするか」
「それが問題ですね」
「里親探しますか」
「そうしますか」 
 こう話してだった。
 そしてだ、ここでだった。
 タミー=アーニャ黒髪とブルーグレーの目で肉付きのいいアフリカ系の女性が同僚達に対して申し出た。
「あの、この子達皆私が」
「引き取ってくれるのか」
「タミーさんがそうしてくれるおか
「はい、私も猫が好きで」
 それにと言うのだった。
「主人もですし」
「ああ、ご主人も」
「ダグラスさんだったね」
「あの人も猫が好きだから」
「それで」
「子供も好きですから」
 猫がというのだ。
「それに猫欲しいと丁度家族で話していましたし」
「それじゃあだね」
「家族にしてくれるんだね、この子達を」
「引き取ってくれて」
「そうさせてもらいます」
 同僚達に笑顔で言ってだった。
 彼女が猫達を全て引き取った、そうして家族で四匹を迎え入れて幸せに暮らした、だがその四年後だった。
 タミーは夫のダグラス、暗い褐色の肌と分厚い唇に丸い目を持つ一八〇近い背の痩せたアフリカ系の男性である彼と共に車で休日に買いものに出たが。
 生憎の雨だった、それで夫にこうぼやいた。
「折角の休日なのにね」
「雨なんてな」
 夫も憮然として応えた。
「嫌だな」
「雨は仕方ないけれどね」
「それでも休日に降られるのはな」 
 どうしてもと言うのだった。
「嫌だな」
「そうよね」
 二人で買いものを終えて車を停めてある駐車場に向かいつつこんな話をしていた、だがここでだった。 
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