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八条学園騒動記

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第六百十三話 コーヒーにも入れるその六

「ロシア人は飲んでもね」
「寒さでだよね」
「もうアルコール自体がね」
「一気になくなるから」
「カロリー消費して」
 その寒さによってだ。
「だからね」
「それでだね」
「そうなるけれど」
 それでもというのだ。
「エウロパはね」
「そこまで寒くないのに」
「そうするから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「頭は悪くならない」
「そうなんだ」
「ロシアじゃこう言ってるわ」
 実際にというのだ。
「本当にね」
「実際にね」
 ウェンディはここでこんなことを言った。
「知能指数はね」
「エウロパ各国よりロシアの方が高いでしょ」
「というか連合のどの国もね」
「エウロパのどの国よりも知能指数高いでしょ」
「ええ」
 その通りだとだ、ウェンディはアンネットに答えた。
「実際にね」
「そうでしょ、科学的に見てもね」
「ロシア人の方が頭がいいってわかってるわね」
「科学は嘘吐かないわよ」
 アンネットはこうも言った、ただしその学説が間違っていることはある。
「だからね」
「そこから見てもよね」
「ロシア人は馬鹿じゃないわよ」
「馬鹿はエウロパの連中ね」
「そう、というかね」
「というか?」
「エウロパの連中って私達よりも馬鹿なのよね」
「連合市民よりもね」
 ルシエンも応えた。
「間違いなくね」
「そうよね」
「そうやって寒くもないのにね」
「いつもお酒飲んでるしね」
「そうよね」
「そう、そしてね」
 それでとだ、ルシエンはさらに話した。
「お貴族様は偉そうにしているだけで」
「平民は支配されて甘んじてる」
 ウェンディは彼等のことを話した。
「そんな風でね」
「頭がよくなる筈がないわね」
「たまたま産業革命があって」
 十八世紀の末からというのだ。
「それで力を手に入れてよ」
「調子に乗っていただけね」
「そう、それだけでね」
「エウロパは全然大したことないね」
「無敵の半神とか思っていたらしいけれど」
「ただ当時の先進技術があっただけで」
「その技術がないとね」
 そうであればというのだ。
「あの通りよ」
「只の野蛮人だね」
「最先端の技術がなかったら」
 それこそというのだ。
「もうね」
「そんなものだね」
「今の通りよ」
「そういうことだね」
「そう、何が白人至上主義よ」
 アンネットは今度は人種論を頭から否定した。 
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