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八条学園騒動記

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第六百十二話 わかりやすいことその十

「けれどね」
「それでもなんだ」
「お酒を飲めたから」 
 それでというのだ。
「まだね」
「もったんだ」
「あまりにもとんでもない力があったことが大きいけれど」
 スターリンにというのだ。
「お酒飲めたし」
「それがあったからだね」
「まだロシア人としてはね」
「よかったんだ」
「これでお酒まで止めていたら」
 スターリンがそうしていたらというのだ。
「ひょっとしたらね」
「失脚していたんだね」
「そうだったかもね」
「凄いわね」
 アンネットもその話を聞いて言った。
「つくづく」
「逆にゴルバチョフはね」
「ソ連の最後の人よね」 
「お酒飲むなって言って」
 そうしてというのだ。
「働けって言ったら」
「ソ連が崩壊したの」
「信じられないけれど」
 それでもというのだ。
「そうなったのよ」
「ソ連が崩壊したのは経済じゃないの」
「いや、経済の崩壊もね」 
 これもというのだった。
「食べるものあったから」
「よかったの」
「スターリンの頃より遥かにましだったし」
 ソ連の末期はというのだ。
「あれ位じゃね」
「ロシア人は怒らないの」
「まだね、今だってね」
 この時代でもというのだ。
「多少のことで怒らないし」
「そうよね」
「忍耐力があるから」
 だからだというのだ。
「それでよ」
「圧政と餓えがあっても」
「まだね」
「我慢出来るのね」
「ええ、けれどね」
「お酒がないとなのね」
「もうね」
 それでというのだ。
「怒るのよ」
「普通あれだよね」
 ルシエンはロシア以外の国の話をした。
「食べものがなくて」
「しかも圧政ならでしょ」
「そこで怒るけれど」
「だからそれがロシアなのよ」
「お国柄なんだ」
「そもそも気候が過酷だから」
 その寒さがというのだ。
「並大抵の圧政や餓えよりもね」
「寒さの方がなんだ」
「厳しいから」
 それでというのだ。
「まだ我慢出来るの、けれど寒いから」
「あったまるお酒がないと」
「もうね」 
 それでというのだ。 
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