| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六百十二話 わかりやすいことその七

「太ってるって言われるのよね」
「そうなんだね」
「全く。そんに太ってるイメージが強いのね」
 アンネットはやれやれと述べた。
「ロシア人の女の人って」
「特にお婆さんはね」
「そうね」
「偏見よ、アメリカ人の肥満はなくなったのに」
 アメリカ人イコール太っているというそれはだ。
「それは着ている服の関係ね」
「だってアメリカ人そんなに厚着しないわよ」
 ウエンディはあっさりと答えた。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「アメリカ人はすぐわかるから」
「そんなに太ってないって」
「千年前のアメリカ人見たら」
 その時の彼等はというと。
「凄いでしょ」
「太ってるわね」
「文字通りお腹の脂肪が膝まで垂れ下がってる」
「それ位よね」
「そこまで太ってるから」
 だからだというのだ。
「凄くて今のアメリカ人見たら」
「すらりとしてる人多いから」
「だからね」
「厚着もしてなくて」
「わかるのよ」
 痩せたことがというのだ。
「はっきりとね」
「そうなのね」
「厚着もね」
 これもとだ、ウエンディはまた言った。
「言われるわね」
「そういうことね」
「ええ、あとね」
「あと?」
「ロシアって怖い政治家多いでしょ」
「それは今もよ」
 アンネットも否定しなかった。
「特に大統領はね」
「そうよね」
「もうね」
 それはというのだ。
「否定しないわ」
「皇帝の頃からよね」
「イワン雷帝からね」
 ロシアの領土を大きく拡大した皇帝である、ただしあまりにも残虐な人物でもあった。
「そうなのよね」
「イワン雷帝ね」
「有名だよね」
 ウェンディもルシエンもそれはそうだと言った。
「あまりにもね」
「もうすぐに勘に触ってね」
「拷問とか虐殺とか」
「自分の手で殺したとかね」
「そんな話が多いね」
「どうもね」
「それが事実だから」
 雷帝の所業はとだ、アンネットも答えた。
「これがね」
「それが凄いわね」
「無茶苦茶な行いが全部事実とか」
「虐殺が常とか」
「拷問が趣味とかね」
「この人からはじまって」
 そのイワン雷帝からというのだ。
「ピョートル大帝もそうだし」
「あとエカテリーナ女帝よね」
「あの人も有名だよね」
「それとソ連時代だとスターリン」
「その人もいたね」
「あとプーチンね」
 アンネットはこの政治家の名前も出した。
「ただ冷酷非情なだけじゃなくて」
「何か柔道とかサンボとかやってたのよね」
 ウェンディは自分のミルクティーを飲みながら問うた、後で客としてルシエンが淹れたコーヒーを飲むつもりだが今はこちらだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧