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レーヴァティン

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第二百一話 関東から戻りその六

「それは明治、大正もで」
「昭和になってな」
「ようやくでした」
「天守閣が建てられたな」
「そうなりました」
「今のものだな」
「そうした歴史があります」
 こう英雄に話した。
「あの城にしても」
「そうだったな」
「ですから落雷を防ぐことは」
 避雷針を置いてというのだ。
「よいことです」
「そうだな」
「はい、これは天守閣だけでなく」
「他の建物にも置くべきだ」
「そうして落雷の被害を減らしましょう」
 是非にという言葉だった。
「地震、雷、火事ですが」
「雷はそうしてな」
「被害を最低限にしましょう」
「そうすべきだな」
「この江戸城も」
「そして街全体もな」
「そうしましょう、只でさえこの世界でも災害が多いのですから」
 そうした街だからだというのだ。
「防いでいきましょう」
「是非な」
「はい、ではそろそろ」
 ここで謙二は話題を変えた、その話題はというと。
「お食事ですね」
「昼飯だな」
「その時ですね」
「今日は鰻とのことだ」 
 英雄はそのメニューのことを話した。
「鰻丼だ」
「鰻丼か、好きじゃがな」
 どうかとだ、当季は微妙な顔になって述べた。
「ちょっとな」
「こちらの鰻はか」
「何か違う気がするぜよ」
「捌き方も焼き方もな」
「そうじゃ。こっちの鰻は背中から切って」
 そうしてというのだ。
「一旦蒸すのう」
「江戸のやり方だな」
「それがぜよ」
「抵抗があるか」
「まだ背中から包丁を入れるのはいいぜよ」
 当季にしてもだ。
「しかしじゃ」
「一旦蒸すのはか」
「それがよおないぜよ」
 こう言うのだった。
「わしはのう」
「鰻も西国の方がいいか」
「調理の仕方はな」
「それはあるか」
「それはおまんもと思うが」
「しかしそれはそれで好きだ、俺はな」 
 英雄はこう当季に返した。
「鰻自体が好きだからな」
「それでなんじゃな」
「そうだ、確かに俺も西国の方が好きだ」
 鰻の調理の仕方はというのだ。
「実際にな、しかしな」
「それでもなんじゃあ」
「江戸のやり方もな」
「鰻そのものが好きでか」
「好きだ」
「そうなんじゃな」
「そうだ、しかし最初に背中に包丁を入れるのはな」 
 これはというと。 
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