レーヴァティン
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第二百一話 関東から戻りその三
「それでテストで赤点取ったことがあるぜよ」
「そうなのか」
「今回は楽勝と思ってじゃ」
そしてというのだ。
「数学は一切勉強しちょらんかった」
「それは何時だ」
「高一の二学期の中間じゃった」
このテストの時にというのだ。
「授業を聞いててわかってると思ってじゃ」
「数学はしなかったか」
「そうしたらぜよ」
それがというのだ。
「四十点でセーフのところを三十八点でのう」
「赤点か」
「それで先生に呼び出しだったぜよ」
「わかっていると思ってか」
「あの頃は油断しちょった」
顎に右手を当てて話した。
「そしてその結果じゃ」
「赤点か」
「わかっていると思ってもじゃ」
例えそうであってもというのだ。
「やっぱりぜよ」
「油断せずにだな」
「勉強することぜよ」
「そしてそれはだな」
「戦でもで」
勝って兜の緒を締めろという言葉があるのはこれだ、勝ったと思ったその時こそ油断するなということだ。
「そしてぜよ」
「政でもだな」
「そうぜよ」
まさにというのだ。
「だからぜよ」
「俺もだな」
「その意気ぜよ」
「油断せずに行くことだな」
「そうぜよ、わしと同じぜよ」
「油断せずに気をつけていけば」
幸正が言ってきた。
「それだけで違うことも事実だ」
「しくじるにしてもだな」
「失敗はある」
どうしてもというのだ。
「しかしだ」
「その失敗もだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「小さいもので済む」
「そうだな」
「また事前の備えもな」
「忘れないことだな」
「身体を動かすにしてもだな」
「準備体操だな」
「事前によくしておくとな」
そうすればというのだ。
「身体もほぐれて温まってな」
「そしてだな」
「怪我をしない、してもだ」
「軽く済むな」
「だからだ」
それでというのだ。
「備えもだ」
「忘れないことだな」
「そうすればだ」
まさにというのだ。
「やはり失敗はな」
「してもな」
「軽く済む、また失敗してもな」
「軽いからだな」
「取り返せるものになる」
その程度で済むというのだ。
「油断せず備えをしているとな」
「大怪我や大事故は思いも寄らない時に起こる」
奈央は柔術家つまり武道をしている者として述べた。
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