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おぢばにおかえり

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第六十四話 阿波野君と先輩その二

「そうだったわね」
「そうでしたね」
「じゃあ一度ね」 
 先輩はまた私に言ってくれまいsた。
「お邪魔させてもらうわ」
「それで、ですね」
「あの子になのね」
「お話して下さいね、阿波野君と」
「そうさせてもらうわ」
「何か悪いこと言いそうなら私が怒りますから」
「彼が何かしたら」
「その時は絶対に許さないですから」
 こう先輩にお話しました。
「ですから安心して下さい」
「私が何かするとは思わないの?」
 ここで先輩は私に尋ねてきました、電話の向こうで少し後悔しているみたいな悲しい感じの声でした。
「怒ったり酷いことしたり」
「先輩がですか?」
 私は思わず言葉を返しました。
「酷いことをですか」
「ええ、そうは思わないの?」
「先輩がそんなことされる筈がないですから」
 すぐに答えました。
「絶対に」
「そう言ってくれるのね」
「はい、問題は阿波野君です」
 私にはこうとしか思えませんでした。
「あの子先輩を嫌ってますから」
「それで私を嫌わない様に」
「先輩みたいないい人を嫌う理由なんてないですから」
 東寮でもどうして怖いと言う娘がいるのかわかりませんでした、このことがどう考えてもわかりませんでした。
「本当に」
「そうは限らないから」
 先輩は今の私の言葉を否定しました。 
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