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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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カラッカラじゃん

 
前書き
やりたいことや書いてみたい構想はあるのに時間がなく手をつけられない現実・・・
ちょっとしたストレスになりつつあります( ノД`)… 

 
グレイside

「「「うぷっ」」」
「またかよ・・・」

目的地へと向かっていく船の上。そこではいつものようにナツとシリル・・・そして強くなったことにより滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の副作用が出るようになってしまったウェンディが顔を真っ青にしている。

「おい!!気持ち悪いなら寝てろって!!」
「んなこと言ったって・・・」
「動けないんですもん・・・」

いつ吐き出してもおかしくないような声で答えるナツとシリルに思わずタメ息が漏れる。仕方ないので、三人を部屋に運ぶことにする。まずはシリルとウェンディから運んでやろうと持ち上げ、二人を部屋のベッドに寝かせる
次にナツを運ぼうとデッキまで戻ってくると・・・

「なんで服脱いでんの!?」
「あれ!?」

ルーシィから強烈な突っ込みが入った。またいつもの癖で脱いじまったみたいだ。

「グレイ、ルーシィ」
「何?」
「どうした?エルザ」

服を探しに行こうとしていたところ、依頼書を見ていたエルザに呼び止められ、そちらへと向かう。

「グレイ・・・俺は?」
「あとで連れてってやるから待ってろ」
「そんな・・・」

一人取り残されたナツを横目にエルザの横に立つ俺とルーシィ。ナツは苦しそうに床にへばりついているが、まぁいいか。いつものことだし。

「この依頼書、どう思う?」

俺と同じようにナツの状況が見えているはずなのに全く気にしないエルザとルーシィもそれはそれですげぇよな。いや、ルーシィはちょっと気にしてるから、実質エルザだけヤバイのか。

「どう思うって?」
「フィオーレでもこんな依頼はよくあるだろ?」

今回俺たちが選んだ依頼は《数か月前から続く異常気象に襲われており、何とかしてもらえないか》との依頼。気象なんか普通はどうしようもないと思うだろうが、実はそうでもない。その地域特有の何かによりその状況になっていることもあるため、依頼を完遂することも難しくないのだ。

「それはそうなんだが、何か引っ掛かる」
「何かって何が?」
「それがわからないんだ」

エルザが何を言いたいのかわからず顔を見合わせる俺たち。彼女はそれに気付いていないのか、うんうんと唸りながら依頼書とにらめっこしている。

「私たちを騙そうってしてるってこと?」
「え~?そんなことするかな~?」
「オイラもそれはないと思うよぉ?」

ナツを心配そうに見つめていたシャルル、セシリー、ハッピーもエルザの疑問の意味がわかっていないよう。

「気にしすぎなんじゃないの?エルザ」
「そうだといいんだが・・・」

何が彼女をそこまで不安にさせているのかわからない。だが、気にしていても俺たちでは解決できそうにもない。仕方がないのでその場は解散し、俺はグロッキーのナツを担いで部屋に戻る。

(にしても、何が引っ掛かるって言うんだ?見たところ普通の依頼書だったし・・・)
















第三者side

「ずいぶんと乾いてきましたね、この国も」
「あぁ、そうだな」

炎のような形の真っ赤な髪をした男に後ろから声をかけるオレンジ色の長髪の少年。彼らの瞳に移る光景はまさしく異様だった。

木々は枯れ、道は乾いた砂が浮き彫りになっている。しかし、その周りには民家がたくさん建っており、そこでは人々が生活していたことを物語っていた。

いや、していたと言うのはおかしいのかもしれない。なぜなら、その民家の周辺には確かに人影が存在しているのだから。

「そろそろ他の国に移動してもいいのではないですか?」
「そうですね、もうこれ以上ここにいても意味はないのでは?」

オレンジ色の髪の少年の後ろから姿を現したのは緑色のポニーテールをした少女。スレンダーな体をした彼女は荒れ果てた周囲の景色を見渡しながらそう言うが、赤髪の男は首を振る。

「いや、急ぐ必要はねぇ。もう少しここでゆっくりしていこうぜ」

彼のこの言葉に二人は顔を見合わせた。彼の側近としてそのせっかちな性格を理解しているからこそ、この判断を下した彼に驚きを隠せなかったのだ。

「なぜですか?バーン様」
あの方(・・・)からのご指示ですか?」

それを聞くと、ゆっくりと男は立ち上がり二人の方に向き直る。その顔を見た二人は目を見開いた。

((笑っている?))

何が彼をそうさせているのかわからないが、確かに彼は笑っているのだ。その笑みはまるで小さな子供が好きなことに夢中に取り組んでいるかのような、悪いことを企んでいるようなものではない、純粋な笑みだ。

「いや、あの方から何も言われていない。俺たちに全部任せるとのことだ」
「でしたら・・・」

反論しようとした女性の口を人差し指で抑える。言葉を封じられた彼女は押し黙ると、バーンは口を開いた。

「せっかく他の世界(・・・・)に来れたんだ。少しくらい遊ばせてもらっても、罰は当たらねぇだろ?」

その言葉を聞いて二人はポカーンとしてしまう。その直後、彼の言葉の意味がわかるに連れて、次第に笑いが込み上げてきてしまう。

自分たちよりも明らかに年上なのに、感性は完全に子供である上司の姿に笑いを堪えずにはいられない。そして、そんな配下たちの様子を見ても気にした素振りも見せず、バーンはその場から歩き去ろうとする。

「あ!!バーン様!!」
「お待ちください!!」

置いていかれそうになり慌てて追いかける二人。彼らが追ってきているのを察知した男はニヤリと笑みを浮かべ、ふざけたようにダッシュしてその場から離れたのだった。















グレイside

「そろそろ着くな。ナツたちを起こしてくるか」
「なら俺が行くよ」

目的の国が見えてきたこともあり降りる準備に入ろうとするエルザ。あと5、6分もすれば上陸できるだろう。今頃伸びているナツやシリルは乗り物から降りさえすればすぐにでも体調が戻る。何なら乗り物の上でも動いてなければ体調がすぐに良くなる。ホント、あれって何なんだろうな。

ナツたちを起こしに行きながらそんなことを考えている。まずはナツを起こして、その間に船も止まるだろうから、それからシリルとウェンディを起こしに行こう。ナツはともかく二人に辛い時間をあんまり味わわせたくはないしな。

そんなことを思っていると、すぐにナツが寝ている部屋に着く。ノックをすることもなく扉を開けると、案の定いまだに顔面蒼白のナツが寝込んでいた。

「そろそろ着くぞ、ナツ」
「うおっ・・・ちょっと待て・・・」

布団を剥がすと体に力が入らない様子のナツは起き上がろうにもそれができずにいる。

「ったく・・・お前のそれなんとかなんねぇのか」
「俺に言うんじゃねぇ・・・」

無理矢理起こすのも気が引けてナツの隣に座る。早めに起こしに来たけど、結局船が止まるまでは降りれなーーーー

ガガッ

「「!!」」

突然の震動と共に止まる船。思わぬ衝撃に立ち上がると、止まったことにより乗り物酔いから回復したナツも一緒に立ち上がる。

「なんだ!?今の!?」
「わかんねぇ!!とにかく外に出ようぜ!!」

何が起きたのか確認するために部屋から飛び出す。すると、シリルとウェンディも部屋から慌てて飛び出してきた。

「ナツさん!!グレイさん!!」
「なんですか?今の震動」

どうやらシャルルとセシリー、そしてハッピーが二人を起こしに行っててくれたみたいで、二人は三匹を連れて部屋から出てきたよう。

「わかんねぇ、俺たちも今出てきたところだ」
「エルザとルーシィは?」
「たぶんデッキにいると思います」

この場にいない二人はまだデッキにいるのだろうとすぐにそちらに向かって走っていく。日の光の入る扉を開けると、そこには呆然と立ち尽くしている二人の姿があった。
















シリルside

「エルザ!!」
「ルーシィ!!」
「ナツ!!気が付いたんだ」

長時間寝てたからかまだ目が明るさに慣れていない。少しずつ目を慣らすために数回瞬きをしてから前に立つ皆さんに並ぶ。

「何があったんです・・・か・・・」

前に立った途端黙り込んでいるナツさんたちの横に立つと、俺も同様に静まり返ってしまった。

「どうしたの?シリル・・・」
「なんで黙って・・・」

後から来たウェンディたちも静かになっている俺たちを見て不思議そうに顔を覗き込んだ後、目の前の景色を見て黙り込んだ。

「なんだこれ・・・」
「カラッカラじゃん・・・」

目の前に広がるのは木々も枯れ果てた砂漠のような地帯。しかし、ある程度塗装されている道や建物があることから、そこが以前までは発展していた地域だったことがわかる。

「なんでこんなことになってんだ?」

思わぬ光景に言葉を失っている俺たち。とにかく、どうしてこうなっているのか調査するために上陸することにしたのだった。




 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
構想はあるのですが時間が取れずに相変わらずのスローペース投稿です。
興味がある方は気長にお待ちください。 
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