我が子でなくても
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第二章
「ニャア~~ン」
「ミュウ~~」
「ナ~~オ
どの猫達も産まれたばかりでだった。
「すぐに母猫が必要だ」
「とはいってもどの子も親とはぐれたみたいだし」
「母猫は見付からないな」
「じゃあどうしよう」
「一体どうしたらいいんだ」
スタッフの人達は考えた、そしてだった。
ここで彼等はマリリンとチャイを見た、それでコンはマリリンそしてライスとバターやチャイのところにやった。
「この子達も頼めるか?」
「血はつながっていないけれど」
「面倒見てくれるか?」
「そうしてくれるか?」
母猫達に恐る恐る頼んだ、正直血のつながっていない子猫達まで世話をしてくれるとはあまり期待出来なかった。
だがそれでもだった、マリリンもチャイも。
「ニャア」
「ナア」
子猫達をそれぞれ嫌な様子一つ見せずにだった。
身寄りのない子猫達もそれぞれ迎えた、血がつながっていないとはいえ彼等も乳を与えられて傍に置かれて温もりを与えられた。
そうしてどの子猫達も順調に育っていき。
二ヶ月近くになって子猫達の里親達が探された、幸いどの子猫達も心ある家庭に家族として迎えられていった、そして。
母猫達もだった。
「頑張って産んでくれて身寄りのない子達まで育ててくれたから」
「そのことを里親募集のところに書いたら」
「どの子も里親に迎えられたな」
「よかったよ」
彼女達にも里親が見付かってというのだ。
「どの子も幸せになった」
「産まれた子猫達も見寄りのなかった子猫達もいい家族に貰われて」
「そして母猫達までなんて」
「本当によかったよ」
「どの子も幸せになれて」
「優しい母親達がしっかり産んでくれて」
「そして血のつながっていない子達まで育ててくれた」
それでというのだ。
「どの子も幸せになれて」
「そして母親達までなれた」
「いいことだよ」
「立派な母親達のお陰だよ」
「だったら母猫達まで幸せにならないとな」
「よくないよ」
こう話すのだった。
「本当に」
「そしてその幸せが適った」
「いいことだよ」
「じゃあこれからも幸せになってもらおう」
「神様にお願いしよう」
こう話してそうしてだった。
スタッフの人達は定期的に送られて来る里親達からの猫達の状況を見て目を細めさせた、その中には母猫達もあったが彼女達も同じだった。分け隔てなく産んで育て愛情を与えた彼女達もそして愛情を与えられた子猫達も皆幸せになりその幸せの中で生きていった。スタッフの人達はこのことに彼等の幸せを感じた。救った命が幸せになるということに。
我が子でなくても 完
2021・4・21
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