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レーヴァティン

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第二百話 真の掌握その四

「それがなくてはな」
「世は楽しくない」
「上様はそう言われていますね」
「常に」
「昼は楽しい、だが夜も楽しい」
 この時もというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「夜は夜の楽しみを味わう」
「そうされますね」
「そうする、ただ女を楽しむ時は酒を飲んでも」
 それでもというのだ。
「少しだ」
「いつもそうされていますね」
「私達の相手をして下さる時は」
「そうされていますね」
「両方となると心の臓に悪い」 
 人で最も重要なその部分にというのだ。
「だからお前達の相手をする時はな」
「然程飲まれないですね」
「お酒はお酒ですね」
「その時に楽しまれますね」
「そうする、酒池肉林というが」
 この言葉も出した。
「本来は肉欲もあるが」
「それが主ではありませんね」
「まさに文字通りのことで」
「沢山のお酒とご馳走ですね」
「そうした意味ですね」
「肉欲は肉欲だ」
 酒池肉林はというのだ。
「文字通りにすればな」
「左様ですね」
「だからですね」
「上様は私達は私達」
「そしてお酒はお酒ですね」
「その様にしている、では今はお前達を楽しむ」
 こう言ってだった。
 英雄は大奥で女達を楽しむこともした、そうして朝起きると風呂の後で食事を摂りそれからまた政を見るが。
 英雄はこの日の政ではこう言った。
「魔物が減り巨人達はだな」
「出ないです」
「上様が関東に兵を出されてからです」
「巨人は出ていません」
「領内の何処にもです」
「そうだな、そしてだ」
 英雄はその目を鋭くさせて言った。
「西の浮島でもだな」
「どうも出ていない様です」
「二つの浮島を行き来している商人達から聞きますと」
「あちらの浮島でもです」
「巨人は出なくなりました」
「まるで災害だな」 
 英雄はこうも言った。
「あの連中は。前から思っていたが」
「いつも突然出て来ますし」
「そして何もかもを無秩序に壊します」
「そのうえで何処かに消えます」
「それを見ますと」
「災害だ、何処から出て何処に消えるのかもわからない」 
 このことを強く言った。
「何者だ、自然の存在ではないことはわかる」
「ですな、まるで違う世界から行き来している」
「その様ですね」
「あの連中は」
「どうも」
「そうだ、あの連中はだ」
 まことにというのだ。 
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