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ドリトル先生と不思議な蛸

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第十幕その二

「彼等も一緒にということで」
「キャンピングカーですね」
「それに乗りまして」
「県庁にですね」
「行きましょう」
「わかりました」
 先生も頷いてでした。
 皆と一緒にキャンピングカーに乗って県庁の人の運転で県庁に向かいました、そして三重県の県庁に着くとです。
 すぐに知事さんとのお話になりました、知事さんは先生と握手をした後お話に入りましたがすぐにこんなことを言いました。
「あの、ヒョウモンダコは毒が」
「はい、あります」
 先生もすぐに答えました。
「噛まれるとかなり危険です」
「命に関わりますね」
「はい」
 先生はまたすぐに答えました。
「ですから気をつけないといけないです」
「では駆除を」
「いえ、駆除は必要ありません」
 先生ははっきりと言い切りました。
「個体数は非常に少なく」
「そうなのですか」
「目にすること自体稀でこちらが何もしないとです」
「噛んだりしないですか」
「はい」  
 そうだというのです。
「そうした蛸ですから」
「駆除の必要はないですか」
「生きものを迂闊に駆除しますと生態系に影響が出ます」
「そのことが問題ですか」
「全ての生きものが生態系の中にあるので」
「毒があるからといってですか」
「駆除しますと」
 そうすると、というのです。
「生態系に影響が出ますので」
「よくないですか」
「はい」 
 こう知事さんに言うのでした。
「それは絶対にです」
「してはいけないですか」
「僕はそう考えます」
「そうですか」
「駆除よりもです」
 それよりもというのです。
「その生きもののことをよく知って」
「そうしてですか」
「気をつけることです」
「そのことがいいですか」
「蝮と同じです」
 日本にいるこの毒蛇と、というのです。
「蝮は駆除しませんね」
「はい、蝮は近寄りません」
 知事さんもこう答えました。
「毒があってこちらから何もしないとです」
「攻撃しないですね」
「ですから」
 それでというのです。
「駆除もしないです」
「その蝮と同じ、いえ個体数が非常に少ないので」
「そういえば先生もずっと探しておられて」
「昨日ようやく発見出来た位です」
「そこまで数が少ないですね」
「蛸は多くとも」 
 それでもというのです。
「ヒョウモンダコはです」
「非常に少なくて」
「最近は九州で多く発見されているそうですが」
「それでもなのですね」
「数自体は非常に少なく」
 そしてというのです。 
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