ドリトル先生と不思議な蛸
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第九幕その八
「海の生きものの図鑑でも」
「あの蛸はどうかな」
「マダコやミズダコなら載ってるけれど」
老馬は具体的な蛸の名前を出しました。
「あの蛸はね」
「数もかなり少ないっていうし」
チーチーは個体数のお話をしました。
「それだとね」
「僕達も実際にかなり巡ってやっとという感じだったね」
先生もこう言いました。
「そうだったね」
「うん、本当にね」
「やっとという感じだったよ」
「伊勢の海をかなり探したけれど」
「他の生きものや水質の調査をしたけれど」
「それでもね」
「やっとだったね」
皆もこう言います。
「そう思うとね」
「数もかなり少ない蛸で」
「姿を見るだけでもかなり稀」
「そんな蛸だね」
「そうだよ、僕も日本で見たのははじめてだよ」
先生にしてもというのです。
「実際にね」
「先生これまで海も色々見てきたけれどね」
「沖縄でもそうだったしね」
「神戸の海もでね」
「それでもだね」
「そして目撃の報告もね」
他の人達のそれもというのです。
「実はあったらニュースになる」
「そこまでのものだね」
「ヒョウモンダコっていう蛸は」
「そこまで珍しい蛸で」
「そんなに見られないのね」
「むしろ見た人がいたら」
それならというのです。
「かえって運がいいかもね」
「そこまでなんだ」
「かえって運がいいんだ」
「毒がある蛸でも」
「それでもなんだ」
「そこまで珍しいよ、僕達にしてもね」
先生にしてもというのです。
「もういないのかもって思っていたね」
「そうだったね」
「もうとか思っていたね」
「実際にね」
「そうもね」
「いや、そんな蛸だから」
だからだというのです。
「本当に見付けられてよかったよ」
「稀少な生きものを目に出来て」
「そして安全をどうするか」
「そうしたことも考えられるから」
「だからだね」
「いるかいないかわからないと」
その場合はというのです。
「不安になるね」
「いたらどうしよう」
「そう思ってね」
「いなかったらいいとも思うけれど」
「やっぱり不安になるよ」
「だからね」
それでというのです。
「不安になるよ、だからね」
「それでだね」
「今回はヒョウモンダコが実際にいたから」
「それでどうするか」
「具体的なお話になるか」
「いいよ、じゃあ明日はね」
是非にと言うのでした。
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