レーヴァティン
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第百九十七話 小田原入城その十一
「これまで鍛えてきたからな」
「それ故にですね」
「ここは全ての軍勢が陣を整え」
「そして戦いますね」
「魔物達に」
「そうすることだ、巨人達が出て来れば俺や仲間達が戦う」
その場合はというのだ。
「だから安心しろ」
「わかりました、まるで湧いて出て来た様ですが」
「それでも戦うしかないですね」
「それではですね」
「これより」
「魔物達と戦う」
こう言ってだった、英雄は仲間達にも貝殻で指示を出してそうして幕府の全ての軍勢の陣を整えさせてだった。
そうして何十万といる魔物達と対した、魔物達が恐ろしい数で来るが。
英雄はその魔物達を見ても冷静に言った。
「いいな、ではだ」
「はい、鉄砲に大砲に」
「弓矢に術で攻め」
「槍も突き出し」
「そうして戦いますか」
「旅で個々で遭う場合とは違う」
今はというのだ。
「今は軍勢の戦だ」
「ああした時に刃を交えるのではなく」
「今は戦ですね」
「軍勢と軍勢の」
「そうしたものですね」
「ならばまとまっているべきだ」
軍勢としてというのだ。
「そうして戦うべきだ」
「敵の数は多いですが」
「それでもですね」
「陣を整えて戦えば」
「勝てるのですね」
「敵は確かに数は多い」
その何十万もの数の話もした、それが何といっても脅威なのはわかっていることであるからだ。それこそ誰も。
「だが敵は何のまとまりもないな」
「はい、確かに数は多いですが」
「率いている者もいません」
「動きも何もかもばらばらです」
「どう見てもまとまりがありません」
「その様な連中なぞだ」
それこそというのだ。
「ものの数ではない」
「陣を整えた軍勢を前にしては」
「それならですね」
「このまま戦えば」
「勝てますね」
「何も臆することはない、そして倒した魔物の銭だが」
再びこちらの話をした。
「全ての兵達に山分けにする」
「では倒せば倒す程ですね」
「兵への褒美が増えますね」
「そうなりますね」
「褒美が欲しければ倒せ」
その魔物達をというのだ。
「そういうことだ」
「わかりました、では」
「このまま陣を整え」
「そしてですね」
「陣を出てはならないが」
それでもというのだ。
「敵を倒せ、多くな」
「兵達にその様に伝えます」
「それでは」
「このまま戦っていく」
こう言ってだった。
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