レーヴァティン
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第百九十七話 小田原入城その九
「これは出来ない、また台風や地震や洪水を操れても相当に難しいという」
「ですね、災害は恐ろしい力です」
「台風や地震のそれは」
「そう考えますと」
「それが出来る風水師の方でも」
「かなりの力を必要とする」
それが可能な者でもというのだ。
「だからな」
「それ故にですね」
「それが可能でも」
「非常に高度なもので」
「容易に出来ないのですね」
「そうだ、その神でもだ」
この世界でそれぞれの力を司る彼等もというのだ。
「それぞれの責務に専念していますな」
「ですね、確かに」
「この浮島の神仏も同じです」
「天照大神は日輪の動きに専念され」
「月読尊は太陰にそうであり」
「素戔嗚尊は海です」
「まさにそれぞれです」
「ヤハウェやアッラーはあまりにもレベルが高くだ」
キリスト教やイスラム教の神はというと。
「また特殊な力も多く持っていてだ」
「まさに全知全能ですが」
「それはそれだけの力を持っている為ですね」
「神にもレベルがありますが」
「そうした神は神の中でも特に高位ですね」
「そういうことだ」
英雄はこう話した。
「そして俺達にはそこまでのレベルではなく力もだ」
「備えておられない」
「だから災害は起こった時に対するしかなく」
「また気候も操れない」
「そういうことですね」
「俺達は誰も全知全能ではない」
英雄も十二人の仲間達の誰もがというのだ、英雄はこの世界に来る様になってこのこともわかったのだ。
「それで災害にもだ、だがだ」
「だが?」
「だがといいますと」
「それで何もしないということはだ」
このことはというと。
「違う、何かが起こればだ」
「その時はですね」
「その困難に向かう」
「そうしないといけないですね」
「災害が起こった時は」
「その他の何かが起こった時はな」
災害に限らずというのだ。
「自分が出来る限りでな」
「向かうべきですね」
「そして何かをすべきですね」
「上様もであり」
「我等もですね」
「そうだ、出来る限りのことをしなくてはだ」
さもなけれればというのだ。
「意味がない、だからな」
「災害が起これば」
「今は洪水ですね」
「それが起これば」
「また魔物特に巨人が出ても」
「全力で対する、しかしこうした時だからこそ」
動けない時期だからこそというのだ。
「英気を養うぞ」
「わかりました」
「美味いものを食いよく寝て」
「そしてですね」
「動ける時が来れば」
「また動く、では俺も今は酒に女達を楽しむ」
こう言ってだ、英雄自身羽根を伸ばしもした。彼にとっては夜にはいつもしていることだがそうした。
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