星河の覇皇
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第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その五
「死んだら天国に行くにしてもな」
「それでもですね」
「そうだ、補充は出来ないんだ」
だからだというのだ。
「死ぬな、いいな」
「はい、わかりました」
「今回も生き残ります」
「何としても」
「そうします」
パイロット達は一斉に応えた。
「是非」
「そうしますので」
「生きます」
「全員何があっても」
「そうしろ、幾ら戦ってもな」
そうして功績を挙げてもというのだ。
「いいな、それを誇れるのは生きていてこそだ」
「そうですよね」
「死んだら立派な最期だと言われる」
「それだけですからね」
「それで終わるからですね」
「そうだ、だからだ」
そうしたこともあるからだというのだ。
「いいな、まずはな」
「生きることですね」
「第一は」
「そうしないと駄目ですね」
「そうだ、俺達の今回の目標はな」
その敵艦はというと。
「戦艦だ、名前はムアーウィアだ」
「その名前の戦艦ですか」
「それを攻撃してですね」
「そして撃沈しますか」
「そうするぞ、これだ」
中隊長は乗機のコンピューターからその攻撃目標のデータを送った、現在どの場所にいるかも送った。
「この艦を攻撃するぞ」
「はい、それじゃあ」
「今からですね」
「あの艦艇を攻撃しましょう」
「この中隊で」
「是非」
「いいか、各小隊ごとに分かれてだ」
隊長は具体的な攻撃の話に移った。
「まずは敵艦の下方向に回るぞ」
「下てすか」
「艦底を攻撃しますか」
「ああ、上から攻撃してもな」
この方向からの攻撃が一番多い、第二次世界大戦での艦船や爆撃機への攻撃と同じことだ。
「敵の対空攻撃が多いだろ」
「艦載機へのですね」
「それが」
「ビーム砲座やランチャーは多い」
敵艦の上部にはというのだ。
「しかしな」
「艦底は少ないですね」
「オムダーマン軍の艦も」
「連合軍はそちらも多いですが」
「オムダーマン軍や我が軍は違いますね」
「そうだ、俺も考えた」
中隊長にしてもというのだ。
「敵艦への攻撃は大抵上から攻めるな」
「はい、艦載機の戦術マニュアルでは」
「大体そうですね」
「そう書かれていますね」
「ティムール軍にしても」
「そうなっていますね」
「そうだ、しかしだ」
それをというのだ。
「やるとな、迎撃を受けるな」
「敵の対空攻撃を」
正確に言うと宇宙空間での戦闘なので強いて言うなら対艦載機攻撃となる、だが人類が地球にあった頃の言葉が今も使われているのだ。
「それを受けます」
「どうしても」
「それで、ですね」
「攻撃を受けずに敵艦を沈めるなら」
「そう考えてな」
そしてというのだ。
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