星河の覇皇
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第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その三
「だからな、あちらも大変でだ」
「指揮にも支障が出ていますか」
「分艦隊のそれも」
「そうなのですか」
「そうらしい」
そうした事態に陥っているというのだ。
「どうやらな」
「それは大変ですね」
「分艦隊司令の乗艦まで損傷を受けているとなると」
「指揮にも影響が出て」
「そしてですね」
「そうだ、今別の艦に移動しているらしい」
損害を受けてというのだ。
「もう艦艇は放棄するそうだ」
「事実上の撃沈ですね」
「それ扱いですね」
「放棄とは」
「そうだ、では我々はな」
艦長は自分達のことも話した。
「速やかにだ」
「はい、退艦を行い」
「一旦安全圏まで退避ですね」
「そうしますね」
「新たな艦艇があればな」
その時はというのだ。
「付け焼刃、いきなりとなるが」
「その艦に乗り込み」
「そうしてですね」
「戦闘に戻りますね」
「そうする、戦艦なら同型だ」
オムダーマン軍も戦艦は一つの型で統一している、これはティムール軍も同じで即座にその艦に移動しても馴染める様にも考慮しているのだ。勿論第一はその方が量産と整備が行いやすいからである。
「即座にだ」
「乗艦出来ますし」
「それならですね」
「即座に乗り込み」
「実際に」
「そうする、では退艦だ」
攻撃を受ける前にと言ってだ、実際にだった。
艦長は負傷者を担がせた上で遺体も収容できる者のそれは全て運んで乗員達を脱出艇に移動させた。そうしてだった。
脱出艇に乗り込んで後方に下がりつつだ、報告を聞いて周りにいる士官達にこうしたことを言った。
「分艦隊司令も無事にだ」
「別の艦に乗り込まれ」
「そうしてですね」
「そのうえで」
「そうだ、指揮に戻られている」
そうなったというのだ。
「副司令は戦死されたそうだが」
「あの方がですか」
「戦死されましたか」
「艦橋が爆発してな」
その時にというのだ。
「戦死されたらしい」
「そうですか」
「それは残念ですね」
「しかし指揮には戻っている」
それにはというのだ。
「だからそのことは安心していいそうだ、そして我々もだ」
「はい、我々もですね」
「どうなるか決まりましたか」
「後方にまだ艦艇がある」
戦艦、それがというのだ。
「それに乗り込んでだ」
「そのうえで、ですね」
「戦場に戻る」
「そうしていいのですね」
「そう伝えられた」
分艦隊司令部からというのだ。
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