星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その一
果てしない波状攻撃
オムダーマン軍とティムール軍は艦隊単位で列を組みそうして交代に攻撃を繰り出し合っていた。その中で。
前の艦隊達が下がり次の艦隊達が前に出て進みつつ攻撃を仕掛ける、そうする中で。
両軍の艦艇は次々に攻撃を受けていく、ここで一隻のオムダーマン軍の戦艦が敵のビーム攻撃の直撃を受けた。
「直撃です!」
「避けられません!」
オペレーターの悲鳴にも似た言葉が響き。
艦は大きく揺れた、敵の砲艦の強烈なビームが直撃してだった。
艦は動きを止めた、艦長はそれを見て周りに問うた。
「損害状況は」
「今調査中です!」
副長がすぐに応えた。
「ですが」
「それでもか」
「はい、この状況は」
副長は艦長に艦内に警報音が鳴り響くのを聞いて言った。
「最早です」
「撃沈か」
「よくて大破かと」
「そうだな、機関はどうか」
「完全に停止しています」
機関室からすぐに返事が来た。
「全く動きません」
「機関室自体は無事か」
「はい、負傷者は何人かいますが」
機関長はこう報告した。
「ですが」
「それでもか」
「コンピューターが完全に切れました」
「復旧もしないか」
「今復旧作業中ですが」
しかしというのだ。
「全くです」
「そうか、ではだ」
「それではだですか」
「暫く復旧作業を頼む」
艦長は機関長に厳しい声で告げた。
「そしてだ」
「それが無理ならばですか」
「断を下す」
こう返事をしたのだった。
「その時はな」
「そうですか」
「ビームは何処に当たった」
艦長はこのことも問うた。
「かなりだったが」
「艦の後方、斜め下から来ました」
航海長が言ってきた。
「それが直撃しまして」
「それでか」
「この衝撃とです」
「エンジンの完全停止をか」
「招きました、第二居住区は完全に破壊されました」
そうなったというのだ。
「すぐに隣接しているブロックを閉鎖しました」
「そこに乗員はいたか」
「数人仮眠中でしたが」
「その数人がか」
「はい、最早です」
航海長の返事は沈痛なものだった。
「姿が見えません」
「わかった」
「そうなっています」
「他に被害は」
「今は報告があがっていませんが」
副長は暗くなり非常灯に照らされている艦橋の中で答えた、警報音は今も激しく鳴っていて止まる気配はない。
「しかし」
「かなりのものか」
「第二居住区以外にも」
「誘爆の危険はあるか」
「今のところは」
ないというのだ。
ページ上へ戻る