ドリトル先生と不思議な蛸
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第七幕その五
「潮風と日差しもスパイスになるよ」
「先生に言われてそれだと思ったよ」
食いしん坊のダブダブの言葉です。
「お昼はカレーだよ」
「名案よ、先生」
ガブガブも太鼓判を押しました。
「お昼はカレーにしましょう」
「定期的に食べたくなるのよね、カレーって」
ポリネシアにしてもです。
「日本にいたら」
「イギリスでも食べられるけれど」
トートーは自分達が生まれた国のことも言います。
「それでもね」
「日本のカレーは独特な美味しさがあるから」
「いいのよね」
チープサイドの家族も乗り気です。
「それじゃあね」
「今日のお昼はカレーを食べよう」
「そしてそのカレーは」
先生はさらに言いました、もう先生の中でも今日のお昼は皆でカレーを食べることで決まっています。
「シーフードカレーかな」
「海だからね」
「海に面しているから」
「もうね」
「それしかないね」
「カレーにしても」
「そのシーフードカレーもね」
先生はさらに言いました。
「日本独自のカレーなんだよ」
「イギリスにはないからね」
「日本のカレーはイギリスから入ったけれど」
「それでもね」
「イギリスって日本程シーフード食べないから」
「鱈とか鮭とか牡蠣は食べるけれど」
それでもとです、皆も言います。
「もう日本みたいにね」
「豊富な魚介類なんてね」
「とても食べないから」
「それだとよ」
「そう、日本は本当に魚介類をよく食べるから」
このことが本当に大きくてというのです。
「だからね」
「それでだよね」
「シーフードカレーも生まれたね」
「インドにもないカレーが」
「カレー発祥の国でも」
「うん、インドでも魚介類は日本程食べないよ」
この国でもというのです。
「あの国でもね」
「鶏肉が多くて」
「菜食主義の人も多いから」
「だからね」
「魚介類もね」
「特に牛肉はね」
こちらはというのです。
「イギリスではビーフカレーだけれど」
「宗教の関係で」
「インドではヒンズー教の人が多いから」
「ヒンズー教は牛を食べないから」
「それでだね」
「そう、ビーフカレーはね」
牛肉を食べないからというのです。
「もうね」
「絶対にないんだよね」
「もうそれはね」
「最初からなくて」
「それでシーフードカレーもない」
「そうだね」
「カレーは日本で独自の発展と進化を遂げて」
そしてというのです。
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