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アタックし続けて

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第一章

                アタックし続けて
 イギリスのリバプールでのことである。
 エール家には前から猫がいた、茶色の毛の雄猫のティクルスである。ティクルスはずっと家の中心にいた。
 そうしていつも我がもの顔であったが。
「犬を迎えるか」
「そうね」
 夫婦は子供達を交えて話をしていた。
「猫はいるけれど」
「ティクルズがな」
「けれど犬もいいし」
「それじゃあな」
「犬も迎えて」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「今以上に賑やかにね」
「幸せな家になろうな」
「それでどの犬を迎えるか」
「今から話そうな」
 一家で話してだった、そうして。
 一匹の子犬を迎えることになった、その犬は。
 白い毛の子犬で中型犬になるとのことだった、目は青の雌犬だった。
 その犬を家に迎えて家族で話した。
「今日からここがお前の家だぞ」
「宜しくね」
「もう猫がいるけれど」
「皆家族だからね」
 こう犬に言うのだった。
「名前はマーリーだぞ」
「女の子だからね」
「いい名前よね」
「今からその名前で呼ぶわね」
 こう言ってだった、犬を家に迎えたが。
 その犬、マーリーと名付けられた彼女を見てだった。
 ティクルズはすぐに睨んだ目になってだった。マーリーを威嚇した。
「フーーーーーッ・・・・・・」
「あれっ、ティクルズ怒ってる?」
「マーリーを見て」
「怒ることないのに」
「どうして怒るの?」
 一家はそのティクルズを見てまずは不思議に思った。
「家族が増えたのに」
「種族が違うからかしら」
「犬と猫だから」
「そうだからかな」
 そして口々に言った。
「大人しい娘なのに」
「怒ることないのに」
「仲良くすればいいのに」
「そうしたら」
 家族はこう思った、だが。 
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