八条学園騒動記
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第六百六話 まだらの紐なのかその三
「一緒に歌って踊って」
「笑顔で別れて」
「やっぱり何もなかったかの様に元の展開に戻ったし」
「凄かったね」
「もう啞然てなったよ」
「確かね」
トムはここでこう言った。
「コナン=ドイルってオカルトにも造詣が深かったよ」
「ああ、幽霊とか妖精とか」
「そういうのに興味があってね」
特に晩年はそうであったという。
「バスカビル家の犬という作品もあったよ」
「あれ実際は妖怪出てないよね」
ブラックドックという妖精が作品のモチーフになっている、漆黒の姿を持ち炎を吐く魔犬の妖精だ。
「確か」
「そうだよ」
「ホームズには妖怪出ないね」
「普通はね」
「そうだよね」
「けれど」
トムは弟に話した。
「この映画だとね」
「妖怪出たね」
そうしてというのだ。
「バトルしてね」
「歌って踊ってね」
「和解したよ」
「それで妖怪ってストーリーに関係は」
「絶対にないよね」
「僕もそう思うよ」
トムの方もだった。
「だってまだらの紐にも出ないから」
「だからね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「もうね」
「絶対にだよね」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「さっきの妖怪はマウリアの妖怪だったね」
「ラークシャサとか言ってたね」
「牛や羊の頭持ってたけれど」
そして身体は人間だった。
「マウリアじゃ普通に出て来るのかな」
「そういえば驚いてなかったわね」
エイミーも言った。
「ホームズさんもワトソンさんも」
「ラークシャサが出ても」
「それでもね」
全く、というのだ。
「そうだったね」
「あっ、出て来たって感じだったね」
「普通妖怪いたら」
その時はというのだ。
「大騒ぎよ」
「そうだよね」
「連合だとね」
「けれどだね」
「全然平気で」
それでというのだ。
「普通にバトルに入って」
「そして」
「歌も踊りもあって」
「和解するとか」
「もう」
それこそというのだ。
「ないわよね」
「感動の和解かな、けれど」
トムはここでこう思った。
「この作品のホームズさんカーリー女神信仰してるね」
「ええ、そうね」
「あの女神様ラークシャサをやっつけるんだよね」
「ラークシャサはマウリアじゃ悪だから」
「だからね」
神々そして人間の敵とされている。
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