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ブルックリンの猫

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第一章

                ブルックリンの猫
 アメリカニューヨーク州ブルックリンのノストランド通りでだった。
 そのブルックリンに住んでいるカレン=オーOLをしつつ猫の救助活動をしているアジア系独特の切れ長でやや吊り目の黒い目と黒い髪の彼女がその光景を見て仕事の同僚に話した。
「酷いわね」
「猫のグッズやトイレも一緒ね」
「ええ、どう見てもね」
「あの子捨てられたわね」
「間違いないわ」 
 見れば白い地で黒い模様のある一歳位の猫である、毛並みもいい。
 その毛並みも見てだ、カレンは同僚に話した。
「ついこの前までね」
「誰かに飼われていたわね」
「それでだけれど」
 カレンは自分から言った。
「私猫の救助活動してるから」
「それでなのね」
「ここはね」
 絶対にと言うのだった。
「あの子を保護するわ」
「そうするわね」
「そして出来たら」
 カレンはさらに言った。
「あの子をね」
「飼うのね」
「そうするわ」
 こう言ってだった。
 カレンは早速その猫を保護した、グッズやトイレも持って行った。そうしてノストランド通りにいたので名前はノストランドとした。
 保護してからだ、カレンは同僚に暗い顔で話した。
「どうして捨てられたのかわかったわ」
「病気があったの?」
「それはなかったわ」
 獣医に診察してもらうとそうだった。
「別にね」
「そうだったの」
「ええ、けれどね」
 それでもとだ、カレンは自宅に来た同僚にさらに話した。
「雄で去勢をね」
「してなかったの」
「ニューヨーク州は去勢のお金が高いのよ」
「そうだったの」
「それでね」
 その為にというのだ。
「その金を払うのが嫌でね」
「それでなのね」
「捨てる人が多いの」
「折角家族になったのに」
「そう、一旦家族にしたら」
 それならとだ、カレンは暗い顔で話した。
「もうね」
「一生一緒にいないとね」
「そうなのにね」
「嫌な話ね」
「ええ、それで私がお金を出して」
 そしてと、とだ。カレンはさらに話した。そうしながらコーヒーを飲み自分の傍に来たノストランドを見て言った。 
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