魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第二百六十話
北白蛇神社の山道を登る。
『ますたー。忍と一戦交える?』
『すまない。一発で吹き飛ばされてくれ』
『あとでご褒美をしょもうします』
『いいよ。抱き潰してあげるから』
メティスサイトで境内を除くと、駿河に馬乗りになった我が姉上が爪を突き立てている。
念のため護衛に残しておいた橙との会話をテレパシーでしながら歩を進める。
暦さんの後をついていく形でだ。
「ねー。暦さーん。まだ怒ってんのー?」
「..........」
「まーいいんだけどさぁ」
とそこで止める素振りを見せた橙が吹っ飛ばされるのが見えた。
その勢いのまま、橙がこっちへ飛んでくる。
「お? おー?」
空をバックに真っ逆さま。
そのまま実体を捨てるようにして、俺の中に戻ってきた。
「おかえり。橙」
『ただいま』
『で、上どうなってる?』
『駿河が忍に突っかかって。あとはまぁ一緒なんじゃない?』
『じゃぁ俺は行かなくていいかな』
上っていく暦さんの背中を見上げる。
「がんばれよー。しゅじんこー」
さて上は原作通りになったようだ。じゃあ後は大丈夫だろう。
正直もうここで帰っていいくらいだ。
でもここまで関わったし、見届ける義務はあろう。
「じゃ、アレが覚悟決めるまで待ちますか」
しばらく降りるとエピソードが居た。
「こうして話すのも久しいなエピソード」
「..........超ウケる」
「顔ひきつってんぞ六歳児」
そう言うと眉を顰める。
「臥煙は?」
「直江津高校にでもいるんじゃねぇの?」
「やっぱあそこか」
さーて、そんじゃぁ向かいますかぁ。
「じゃぁ俺先行くから」
「おい。キスショットとその主人はどうするんだよ」
「お前が案内しろよ。そのために臥煙に遣わされたんだろお前」
「ちっ」
「しょうがないにゃぁ」
お菓子のパック詰めを量子展開してエピソードに渡す。
「ほら、これあげるからさ」
するとエピソードはムッとした表情で袋を受け取った。
「日本の駄菓子はすごいぜ」
グッドラックとハンドサインを送り、参道を降りていく。
道路まで降りて、直江津高校に足を向ける。
『いいの? 暦をほっといて?』
「いいさ」
『今回の件で暦はますたーに不信感を覚えたと思うよ』
『そうだなぁ。アプリコットの言うとおりだ』
「起きてたのか奏」
『そりゃぁな。近くにうつくし…忍も居るしな。昨日からずっと起きてはいたぜ』
怪異関連での暦さんとのトラブルは出来れば避けたかったが、仕方あるまい。
俺のスタンスはどうあっても暦さんと相容れない。
互いに自分(に近しい人)本位だ。必ず衝突する。
忍野扇が俺に関係した何かしらを起こすかもしれない。
暦さんが俺に対して自責の感情を一分でももっているならそうするのが忍野扇という存在。
なのだろう。
確証はない。
そしてその為にロリsを西サハラに遠ざけた。
それに、今はそれより優先すべき事がある。
「さーて苛虎はどうしよっかなぁ」
苛虎と相対するはブラック羽川。
苛虎が強化されているのであればブラック羽川も強化されているだろう。
実力は拮抗するはずだ。
だからと言って、周りが無事である保証はない。
量子界通信で箒に連絡を入れる。
「箒? 羽川翼の護衛頼みたいんだけどいいかな?」
『翼さんのか? まぁ、構わないが』
「翼さんは多分怪異化して直木の家に向かったと思う。そこでおそらく学習塾跡と旧羽川邸を燃やした怪異と相対するだろう」
『援護か?』
「本当にヤバくなったら割り込め。暦さんは俺が間に合わせるから手は出さずに済むはずだ」
羽川翼の現在地はマークしている。
苛虎もだ。
『わかった。すぐに出よう』
通信が切られる。
箒なら何かあってもどうにかするだろう。
具体的には、消火とか。
side out
同刻、織斑家。
「ムーバルスーツ、展開」
箒が着ていた私服が量子格納されると同時にムーバルスーツが展開される。
「アーマー展開」
更にその上からアウターアーマーが展開。
重要部分を守るように展開されたアウターアーマーはサイコEカーボン製で出来ている。
豊満な胸を覆うチェストプレート、籠手には受け太刀用のブレード、脚甲の脛には一体化したニードルクラッシャーなど近接戦を重視した形状をしている。
現代の防弾チョッキとはコンセプトの異なる前時代的なライトアーマーだ。
「稲荷」
式神を呼ぶ。
稲荷が憑依し、髪は金糸のような金髪に。
更には眩しい4本の狐の尾。
「さて、翼さんの援護か。どうなるか想像もつかないな」
更にホルスターを展開してサイコEカーボン製の逆刃刀”宵闇”をセット。
「行くか」
リビングを出て、廊下から玄関へ。
土間に伸ばした足がブーツに覆われる。
そのまま止まらず外へ。
後ろ手に玄関を閉めると、少し踏み込み、飛んだ。
跳び上がり、落ちることなく高度を上げる。
夜空を駆け、向かう先は指定座標-一夏が探知した羽川翼の現在地-から500メートル離れたビルの上。
ふわりと屋上に着地する。
一拍遅れて、低重力のようにゆっくりと尻尾が下がる。
「大まかな気配はわかるが……。照準はやめておくか」
両腰の宵闇を抜き、いつでも飛び出せるようにしつつ気配を消す。
更には光学魔法で援護対象を捕捉する。
その現状を確認し。
「私が出る必要は無いと言っていたが…」
「これは少しまずいんじゃないか一夏?」
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