恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十九話 リムルル、狐を見るのことその六
「そこんところどうだ?」
「やっぱり感じるのだ?」
リムルルのそのアイヌの巫女としての力を頭に入れての問いだった。
「オロチとかあの連中みたいなな」
「そんなのなのだ?」
「あれっ、違うよ」
ここでだ。リムルルはこう言ったのだった。
「妖しい雰囲気は同じだけれど」
「しかし違うのか」
「うん、あれは」
「あれは?」
関羽もだ。リムルルに問うた。半ば無意識のうちに。
「黒いものは感じないのか」
「見えるのは」
「何だ?」
「狐?」
それだというのだ。
「何か狐が見えるけれど」
「狐って!?」
「それも只の狐じゃないみたい」
こうだ。許緒にも話した。
「尻尾が違うわ」
「尻尾がなの」
「一、二、三で」
リムルルはその馬車に見える狐の尻尾を指差しながら数えた。
「全部で九つあるわね」
「九か」
「うん、全部で九つよ」
そうだとだ。今度は関羽に話すリムルルだった。
「九つあるわ」
「九尾の狐か」
関羽はリムルルの話を聞いてすぐにそれを話に出した。
「それだな」
「確かあの狐って」
「妖怪だ」
関羽はまさにそれだと話した。
「世を乱す妖怪だ」
「そういえば似てるな」
「そうよね」
馬超と許緒もだ。その狐と聞いてだ。
顔を顰めさせてだ。それで話すのだった。
「あの連中あの狐にな」
「同じ様な感じがするよね」
「どす黒いっていうより闇?」
今度はこんなことも話すリムルルだった。
「闇でしかも」
「あの狐か」
「何なのかしら、これって」
「司馬尉殿が狐ということだろう」
こう考える関羽だった。
「それでだ」
「それでなのかな」
「そうだ。しかし九尾の狐か」
関羽はここで難しい顔になって言った。
「厄介だな」
「厄介なのね」
「さっき言ったが九尾の狐は国を乱す妖怪だ」
「妖怪の中でも特になのね」
「邪神と言ってもいい」
そこまでだと話す関羽だった。
「そうか。司馬尉殿はそこまで危険なのか」
「ううん、妖しい存在なのは確かね」
「妖しいというものではないな」
関羽はそこまでだと話した。
「やはり。放ってはおけぬか」
「しかもな」
「また来たよ」
馬超と許緒はまた顔を顰めさせることになった。見ればだ。
同じ馬車がもう二つ来た。それは。
「妹のだよな」
「そうだね。丁度二つだし」
そのだ。司馬師と司馬昭のものだというのだ。
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