八条学園騒動記
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第六百四話 マウリアの推理その五
「三歩だけ欲しいって言ってね」
「いきなり巨大化して二歩で世界歩いてね」
「三歩目で言った相手が欺く敵だたら」
「それで踏み倒すとかね」
「こんな神様いないよね」
「マウリア以外にはいないと思うよ」
多分、そうした返事だった。
「幾ら何でもね」
「そうだよね」
「カーリーって女神様とかね」
マウリアでは人気の女神である。
「敵は容赦なく殺して壊す」
「破壊と殺戮の女神だったっけ」
「それがいい神様だから」
「それも凄いよね」
「もう悪を徹底的に殺すんだ」
ヒンズー教の神話ではラークシャサである。
「そしてその血も飲み干してね」
「凶悪だよね」
「けれどいい女神様で」
「人気があるんだね」
「何か愛嬌があってお茶目で」
そうした性格だとされている。
「外見もね」
「恐ろしいけれど」
「それでいてね」
そうしたものでもだ。
「何処か愛嬌があって」
「外見も人気なんだ」
「そんな女神様なんだよ」
「えっ、タイトル出たけれど」
ここで上映がはじまった、するとだった。
メアリーはそのタイトルを見てだ、二人に言った。
「偉大なるカーリー女神に捧げるって書いてあるわよ」
「あっ、そうだね」
トムは字幕を見て頷いた。
「そう書いてあるね」
「推理映画よね」
「そうだよね」
「何でそこで出て来るの?」
そのカーリーがというのだ。
「一体」
「どうしてかな」
トムもこの辺りはわからなかった。
「推理と関係なさそうだけれど」
「破壊と殺戮の女神様だから」
「もう推理よりもね」
「徹底的に戦うのよね」
「それで敵を容赦なく殺して壊す」
「ファンタジーか怪獣映画みたいね」
「どっちかっていうと怪獣映画?」
カーリーが相応しい世界はというのだ。
「無茶苦茶暴れるらしいから」
「怪獣映画ね」
「マウリアの神様ってそんなところあるから」
怪獣映画の様な戦いを行うというのだ。
「巨大化してとんでもない武器使うから」
「そういえば敵も凄いわね」
「腕が二十本とか顔が十とかあってね」
ラーヴァナというラークシャサの王である、セイロン島にいてそこでラーマと争ったという物語がラーマーヤナだ。
「それで巨大だから」
「それじゃあね」
「もうファンタジーよりも」
むしろというのだ。
「そっちだね」
「トムが見ても」
「うん、それで何で推理にカーリーなのか」
「わからないわね」
「バトルがあるのが常識らしいけれど」
マウリアの推理映画ではだ。
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