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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十七話 司馬尉、京観を造るのことその五

「だから一緒だな」
「そうね。首輪ね」
「いいわよね」
 いつも通りだ。もう一人も急に何処からか出て来た。
「首輪で従順なのも見せて」
「ダーリンを誘惑しちゃうわよ」
「あの、首輪は幾ら何でも」
「危険過ぎます」
 軍師二人も流石にそれは止めた。
「そのお姿で首輪までされると」
「大惨事が起こります」
「そうよね。ダーリンだけでなく他の人達も悩殺しちゃうから」
「大変なことになるわよね」
 ここでも前向きな妖怪達である。
「そこまでしたらね」
「やり過ぎよね」
「少なくとも止めておけ」
「世の為人の為だ」
 夏侯姉妹もそれを言う。
「むしろ余計なアクセサリーはだ」
「慎むべきだと思うがな」
「いや、別にいいんじゃないか?」
 ガルフォードは彼女達の邪魔をした。無意識なうちに。
「お洒落はいいことだしな」
「そうよね。流石にわかってるじゃない」
「いいのは外見だけじゃないのね」
「ダーリンの次にいけてるわよ」
「最高よ」
 こう言う彼等だった。
「あちらの世界にはイケメンが多いけれどね」
「貴方その中でも屈指よ」
「けれどあたし達は乙女だから」
「浮気はしないのよ」
 まだ言う。
「だから御免なさいね」
「あたし達ダーリン一筋だからね」
「何かわからないけれどな」
 ガルフォードは首を捻って夏侯姉妹達に話した。
「俺ってこの人達に」
「そうみたいだな。随分な」
「認められているようだな」
 夏侯姉妹もそれを話す。
「顔だけでなく人間性もな」
「これはいいことだろうか」
「そうよ。とてもいいことよ」
「それは保障するわ、他ならぬあたし達がね」
 また言う彼等だった。一応彼女達ではない。
「それでだけれどアクセサリーって」
「どれがいいかしら」
「まだ言うのですね」
「アクセサリーですか」
 軍師達も怪物達にいささか呆れながら返す。
「ううん、そう言われましても」
「どれがいいかといいますと」
「イやリングとかブレスレットはどうかしら」
「あっ、それいいわね」
 卑弥呼がパートナーに応えて頷く。
「あたし達何をつけても似合うけれどね」
「それもいいと思うわ」
「お好きなようにされては」
「そうとしか言えません」
 郭嘉と程昱はこう彼等にアドバイスをした。
「爆発さえ起こらなければ」
「それでいいと思います」
「爆発が起こるのもあたし達の美しさのせいよね」
「罪な女ね、あたし達って」
「そう思うのならいいが」
「少なくとも爆発は起こさないでもらいたいものだ」
 夏侯姉妹は彼等に冷静に突っ込みを入れる。
「とにかく罪のないアクセサリーを選んでもらう」
「それだけを望む」
「そうね。それじゃあね」
「大人しめのを選びましょう」
「たまには慎む美もね」
「いいものだからね」
 こんな話をしてだった。彼等は彼等でそうしたアクセサリーを選びに入った。そうしてガルフォード達もであった。
 パピィー達の首輪を探す。そしてだ。
「これがいいか?」
「あっ、その首輪ですね」
「それですね」 
 郭嘉と程昱がその首輪を見て言った。黒いシンプルな首輪だ。
 
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