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ヘタリア大帝国

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TURN48 騎士提督参入その六

「だからそちらさえよければだ」
「インドの経済復興の為に東インド会社を再建してくれるたいか?」
「必要とあらば資金も出せる」
「僕のところから出せるたいよ」
 東郷とインドは二人でクリオネを誘う。
「条件としては提督にもなってもらうが」
「クリオネさんは艦隊指揮もできるたいからな」
「提督になったら資金援助してくれるのね」
 クリオネは身を乗り出して二人に尋ねた。彼女にとって東インド会社の再建はかなり条件のいいことだった。それで無意識のうちに身を乗り出して尋ねたのだ。
「それ本当ね」
「ああ、ただしインドの企業になるがな」
「それでもいいたいな」
「そのことについては私に選択肢ないわよね」
 クリオネはその表情をあえて無表情なものにさせて二人に問うた。
「捕虜なんだし」
「無論エイリスに帰ってもいいが」
「その場合はどうしてもたい」
「そうよね。確かに私はエイリス人だけれど」
 生粋のだ。だがそれでもだというのだ。
「インドさんと一緒にいて長いしね」
「そうたいな。お互いによく知っているたい」
「嫌いじゃないし」
 インドにはかなり愛着も出来ているのだ。これまでのことで。
「それならね」
「ではいいか。東インド会社を再建してくれるか」
「インド軍に所属してくれるたいな」
「いいわ。じゃあこれからは新東インド会社社長兼インド軍提督ね」
 クリオネは微笑んで言った。その目に輝きが戻っている。
「張り切ってやらせてもらうわ」
「ああ、宜しく頼むな」
「期待しているたいよ」
「クリオネちゃんは期待に応える主義よ」
 こう返すクリオネだった。だがすぐにだった。
 サフランがそのクリオネに突っ込みを入れてきた。その突っ込みはというと。
「三十歳で自分をちゃん付けはかなり」
「痛いっていうの?」
「痛々しいです」
 無表情での突っ込みであるから余計に鋭くきつかった。
「お止めになられるべきです」
「暫くぶりに会ったのに相変わらずきついわね」
「性分ですので。あと東インド会社の経営ですが」
「ええ。そっちでも何か言いたいの?」
「スタッフの方はどなたもインドさんのところにいらっしゃいますので」
 それでだというのだ。
「すぐに来てもらえます」
「じゃあ再建も楽なのね」
「資金はインドさんが出してくれますし」
 このこともあった。
「ご安心下さい」
「何か凄い好条件ね」
「国家に企業は必要です」
 経済活動を行なう企業が不要である筈がなかった。ただソビエトは企業そのものの存在を完全に否定しているが。
「ですから」
「ううん、国益でもあるのね」
「そのインドの国益の為にも頑張って下さい」
「わかってるわ。それじゃあね」
「はい、提督のお仕事もありますし多忙でしょうが」
「クリオネちゃん頑張っちゃうからね」
「ですから三十歳でのちゃん付けは痛いです」
 サフランの突っ込みは相変わらずだった。だがクリオネもまた太平洋軍に加わったのは確かだった。それに加えてだった。
 インドはそのクリオネにあることも言ってきた。それは何かというと。
「それでたいが」
「どうしたの?今度は」
「アグニのことたいが」
「ああ、あの子も捕虜になってたわね」
「そうたい。けれど残念なことにたい」
「残念なことって?」
「提督へのスカウトを断り続けているたい」
 インドはやや困った顔でクリオネに話す。
「貴重な戦力になるたいが」
「あの子はまだ子供だけれど優秀な人材よ」
 クリオネが最も知っていることだった。彼を見出して育てた本人だからだ。 
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