ドリトル先生と不思議な蛸
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第三幕その六
「あのこともね」
「いいことだよね」
「如何にも日本のお寺や神社って感じがして」
「神聖な感じもするわ」
「観ていると幸運も授かったと思えて」
「そうだね、今回の調査は海でのことだし」
それにというのです。
「しかも危険な蛸だから」
「それでだね」
「慎重にしないと駄目ね」
「だから幸運もあるとね」
「本当に有り難いよ」
「そうだよ、だから今はしっかりと観て」
そのウミガメ達をです。
「幸運を授かるよ」
「そうしていこうね」
「そしてそのうえでね」
「明日から調査だね」
「それをはじめるね」
「そうしようね」
先生は笑顔で言います、そうして水族館の中を隅から隅まで巡りましたがそれが終わってからでした。
ホテルに戻りました、ホテルに戻った時は夜で。
帰るとお風呂に入ってから晩ご飯でした、そのメニューはといいますと。
「いきなりこれだね」
「伊勢海老のお造りね」
「鳥羽の魚介類の天麩羅に酢のもの」
「栄螺の姿焼きもあるし」
「お野菜のお料理もあって」
「しかも後で伊勢海老の頭でお味噌汁を作ってくれるし」
「これは凄いご馳走だね」
先生も笑顔で言います。
「お酒もあるしね」
「お昼はウイスキー飲んだけれど」
「今度は日本酒だね」
「お造りとかを日本酒で食べて」
「それで満喫ね」
「その後でまたお風呂だね」
にこにことしたまま言う先生でした。
「そうしようね」
「そっちも楽しもうね」
「食べた後でね」
「もう一度入ってすっきりしましょう」
「皆でね」
「そうしようね、日本の旅行の楽しみは」
それはといいますと。
「やっぱりね」
「ご馳走にね」
「それにお風呂もだから」
「どっちも楽しまないとね」
「旅行って気がしないわ」
「イギリスの旅行はどっちも、だったね」
先生はこのことは少し寂しく言いました。
「どうしても」
「そうそう」
「そちらはね」
「イギリスにいるとね」
「お風呂に造詣は深くないし」
「食べものはもっと、だから」
「景色や学問は楽しめても」
それでもと皆も言います。
「それでもね」
「お風呂とかお料理とかは楽しめないわ」
「そうしたことは」
「それが残念だね」
「けれど日本だと」
「その二つも楽しめるから」
「僕も病み付きになっているんだ」
日本の旅行にというのです。
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