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元の毛に戻れて

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第二章

「かなりの栄養失調、脱水症状で」
「はい、保護した時はふらふらで」
 エレインが話した。
「それでまだここで保護されて僅かで」
「そうですね、では」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「まだなのですね」
「これから宜しくお願いします」
「栄養失調と脱水症状のこともですね」
「はい、あと疥癬は」
 彼を苦しめている主な病気はというと。
「手を尽していきますので」
「それで、ですね」
「必ず完治させます」
「そうしてくれますか」
「約束します」
 獣医はエレインに強い声で約束した、そして。
 獣医はバレンティノにも声をかけた。
「安心していい、君は苦しみから解放される」
「ニャ~~~」
 バレンティノは獣医にもお礼を言う様に鳴いて応えた、そして。
 治療を受けて食べて飲んでいった、すると次第にだった。
 彼の体調はよくなり栄養失調も脱水症状も治った、そのうえで疥癬も回復していった。彼はエレイン達がご飯や水をあげて優しい声をかけると。
 いつもお礼を言って鳴いた、いつも穏やかで優しく温厚な猫だった。それでスタッフの誰もが彼を好きになった。
 その中で治療を受けていき遂にだった。
 バレンティノは目を開いた、感染症はそこまで回復した。その時にはもう毛もかなりよくなっていた。
 その彼をあるボランティア団体を創設したトビー=ウィンスキーきりっとした顔で銀髪に黒い目で高い鼻を持つ彼がバレンティノを見て言った。
「お話は聞きました、こちらでも里親を探していますので」
「だからですか」
「はい、必ずです」
「家族が見付かりますか」
「そうなります」
 間違いなくというのだ。
「ですからこの子はです」
「これから幸せになりますか」
「間違いなく、ではこれからも」
「この子の手当てをですね」
「お願いします」
 こうエレインに言った、そしてだった。
 彼の治療と世話を続けているとだった、遂に全ての病気が完治し焦げ茶色と茶色の毛が戻りすっかり元気になった。
 そうなった彼の前に口髭を生やした一七〇程の背で痩せた黒髪に少し浅黒い肌の男がやって来た。男は妻と共にその場に来て言った。
「あの、バレンティノのお話を聞きまして」
「はい、それでなのですね」
「どんな子か詳しくです」
「お聞きしたいですか」
「そうしていいでしょうか」
 こうエレインに言った。
「それでよかったら」
「里親になってくれますか」
「そうしていいでしょうか」
「宜しくお願いします」
 エレインは男に応えた、そして。
 彼と妻にバレンティノのことを詳しく話した、すると夫婦で言ってきた。 
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