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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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私のお兄様になってください

妖怪の時間であった夜は終わりを告げ、太陽が上り、朝の時間となった
普通であれば清々しい気分になるだろうが、一人の少年は違った。

速度を司る少年、霧雨 閃輝は身体がまるで鉛のように重く感じながら目を覚ましたが
腕に妙な重みを感じて横を見てみると産まれたままの姿で、閃輝の腕に頭を乗せて
身体に抱きついている十六夜 咲夜と鍵山 雛がいた。それを見た閃輝はまるで全方位から弾幕を撃たれたかのような衝撃が襲ってきた。

「な、ななな・・・はっ!」

混乱している中、閃輝の脳裏に夜の記憶が鮮明に、蘇ってきた自分は咲夜と雛の特製の媚薬によって、身体の自由を奪われ本能のままに咲夜と雛にやってしまい、今に至る。
閃輝は顔を真っ赤にし、自己嫌悪に陥りつつも、嬉しさも感じていた

「咲夜さんと雛さんと・・・//////////で、でも本当に俺を愛してくれるのか?
それ以前に俺は、雛さん達を幸せに出来るのか?」

閃輝は確かに、好意を抱く女性とこうして事になったのは嬉しいが
彼は彼女らを幸せに出来るか疑問に思っている、そして自分には誰にも
嫌、言う事が出来ない秘密がある

「言えねぇぜ・・・俺の身体に・・・の・・があるなんてよ・・・」

苦々しく毒を吐き捨てるようなに言った、その言葉で、麗しき2人が目を覚ました
二人は目を擦りながら、閃輝を見る。

「お早う・・・閃輝君・・・」
「昨日は凄かったわね・・・」

身体を起こして、閃輝に寄り掛かりながら見つめる、咲夜は閃輝が不安そうな顔を
しているので、顔を撫でた

「どうしたの?閃輝君?私も初めてで一晩中だったけど、私以上に疲れたみたいね」
「・・・本当に良かったんですか?俺なんかd!?」

雛は言葉を最期まで言わせないように、閃輝の口を自分の口で塞いだ
数秒、唇を合わせて、雛は離れた。

「貴方でないと駄目なのよ、私も咲夜も駄目なのよ。それに貴方が不安なら
私達も貴方が幸せなれるようにすればいいんだから」
「そうね、私達は心の底から、貴方を愛してるわ。閃輝君」

咲夜もそう言って、閃輝にキスをした、閃輝は2人が本当に自分を愛してくれる事を知り
二人を心の底から受け入れた

「俺も・・・二人を愛してます」

そう言って閃輝は2人を抱きしめた、閃輝は相思相愛の相手と完全に結ばれた


閃輝は雛に、もう外界に戻る日だと言われて、ショックを受けた
自分は3日もの間眠り続けていたのか・・・その事を聞いた咲夜と雛は
顔を赤くして、顔を伏せていた。閃輝より雛と咲夜が、攻めの姿勢であったため
閃輝はとんでもない疲労に身を任せて、泥のように眠っていたようだ。
その際にも、咲夜や雛にキスされたりはされていたそうだが、閃輝は急いで
身体に付いた匂いをシャワーで、洗い流して、妖怪の知り合いに気付かれない様に
匂い消しの薬を身体に塗って、荷物を持って人里のシャルロットの元に急いだ

「・・・行ったわね」
「そうね」

空を飛んでいく閃輝を見送る、咲夜と雛
彼女らは嘗て無いほどの、幸福感と満足感に満ちている。

「こんな気持ち初めてね・・・」

雛は胸に手を当てて、呟いた。その呟きを聞いた咲夜はクスリっと笑って
身体を浮かせた。

「そろそろ私は行くわ、紅魔館が少し心配だし」
「そう、じゃ私も帰るわね。それじゃまたね。咲夜」
「ええ、雛」

そう言って二人は手を振って、それぞれの居るべき所に戻って行った
余談ではあるが、咲夜が紅魔館に戻ると、妖精メイド達が予想以上にわたわたしていた
咲夜はフル稼働で働く事になったが、今まで無いほどのハイペースで仕事をしていたとか

閃輝は『無名の丘』からマッハを超える速度で人里に向かったため
数分で人里に到着した。人里に入り、慧音の家に向かう。
暫しすると、慧音の家が見えてきて、その前でシャルロットが一人の女性と会話している

長い緑色の髪をしており、髪には蛇と蛙をあしらった2つの髪飾りを着けている
脇を見せている、霊夢と同じタイプの青と緑色の巫女服を纏っている
霊夢より少し背の高い女性、東風谷 早苗

彼女がシャルロットと楽しそうに話している

「そうなんですよ、ここに来たばかり時は常識に囚われてばかりで大変でしたよ
でも今ではこう思ってますよ、この幻想郷では常識に囚われてはいけない!って」
「へぇ~・・・常識に囚われちゃいけないんだ・・・」

閃輝は2人の会話を聞いて、思わず無言になった
まあ、言ってる事は間違ってない。非常識が常識の幻想郷
外界では、生身の人間が自力で空を飛ぶのは、非常識だが、此処ではそんな事は無い
が、ある程度の常識は必要である。絶対に常識は要らない訳ではない。

「・・・早苗さん、一応常識は必要なんですけど・・・」

閃輝が呆れながら、早苗とシャルロットに話しかけた
早苗は、閃輝に気付いて笑みを浮かべて閃輝の方を向いた。

「お久しぶりです、閃輝君。でも間違った事は「言ってますよ・・・
だったら無闇に人の暴力を振るったり、人を裏切る事が常識になるんですか?」
・・・ごめんなさい、私・・・」

早苗は閃輝から顔を背けて謝る、無意識に閃輝の心に深く刻み込まれた事を
掘り返してしまいそうになったからだ。だが閃輝は気にしていないようで

「気にしないでください」

と返した、閃輝の心の奥底には、外界で受けた、暴力で受けた恨みや憎しみなどが眠っている。闇夜が精神を健康に保つためにその記憶は消去したが、心の―(マイナス)の感情はそう簡単には消えない。

「シャルロット、そろそろ行くぜ」
「あ、う、うん。じゃあ早苗さん。色々と有り難う御座いました」

シャルロットは早苗にお辞儀をして、お礼を言った
早苗は笑顔を振りまいて、シャルロットに答えた。

「こちらこそ、新しいお友達が出来て嬉しかったんですよ。何かあったら
連符で言って下さいね?力になりますから」
「うん!ありがと」

シャルロットは早苗を握手をして笑いあった、閃輝をそれを見て笑って、
霊力を使って浮かび上がり、シャルロットも覚えたての飛行術を使い浮かんで
閃輝の後を追った。この飛行術は閃輝が飛行するのと同じように霊力を使用する物で
早苗と慧音からやり方と霊力の使い方を教わって習得したものだ。

「随分と仲良くなったんだな」

閃輝はシャルロットが耐えられる様に、能力の微調整をしながらシャルロットに話しかけた
シャルロットは、笑いながらそれに答えた。

「うん!チルノちゃん達とも仲良くなったよ。早苗さんは僕が授業している時に
来て、それで話をしたら意気投合しちゃってさ」

楽しそうに早苗との思い出を語るシャルロット、それほど仲が良い友達が出来たのが
嬉しいようだ

「それと覇狼さんからの伝言だよ。レミリアとさとりは先に学園に戻ってるって」
「先にか・・・俺が寝すぎたか」

閃輝は若干疲れたような溜息を吐く

「ああそうだ、僕、能力が使えるようになったよ」
「は?」

シャルロットが何気なく言った言葉は、閃輝にかなりの衝撃を与えた。
まだシャルロットは幻想郷に来て3日しか立っていないのに現時点で、能力の発現?
閃輝でも、発現したのはフランとの戦いの中で、自らの死が近づいた時に覚醒したもの
そんな事も無く、途轍もない速さでの発現に閃輝は驚いた。

「は、速いな・・・」
「早苗さんがさ、能力使って僕の能力を、掘り出してくれたんだよ。
でも、上手く使うのに2時間ぐらい掛っちゃったんだけどね」

それでも十分すぎるほど速いが、閃輝は早苗の能力と聞いて、納得した
早苗の能力は『奇跡を起こす程度の能力』これは幸運とは関連性は無いが
主に天候を操り、雨乞いなどで使われている。
奇跡を起こすためには呪文詠唱が必要であり、奇跡の大きさに見あって
詠唱の長さが変わる。簡単な奇跡ならば一言で起こせるが、難しい奇跡であればあるほど
それに見合った長い詠唱が必要となってくる。
どうやらシャルロットの能力発現の奇跡は、それほど難しい物ではなかったようだ。

「で?どんな能力だったんだ?」
「僕の能力は、『あらゆる物を治癒し、補充し、共有する程度の能力』だよ
主にサポートとか、回復主体の能力かな?」
「共有・・・」

閃輝はシャルロットの能力の『共有』っと言う部分が気になった
共有とは共に分かち合うと言う意味。

「シャルロット、俺の能力を共有出来るか?」

閃輝は真面目な顔となり、シャルロットに語りかけた
シャルロットは少し考えてから口を開いた。

「う~ん・・・多分行けると思うけど、能力は使う度に霊力を使っちゃうし。それに
共有するのが難しい物であるほど、それに比例するように霊力の消耗率も上がるんだ。
霊力を補充しながら出来ればベストなんだけど、まだ2個同時に使えないからさ、
閃輝の能力はレベルが高いから、今の僕だと共有した所で直ぐに霊力が尽きちゃうと
思うよ。それに補充だって補充する物によって時間だって掛るしね」

どうやらシャルロットの能力は完全に万能と言うわけではなさそうだ
今の話を聞く限り、シャルロットの能力は使用する度に、その使用に見合う霊力を
消費して使う事が出来るようだ。高い治癒をしようとすればそれだけ霊力を使い、
高度な共有をしようとすれば、見合う霊力を消費する必要がある。
補充だけは違うようだが、補充するものの質や量に比例するように時間を要するようだ

閃輝は納得したような顔をする

「成る程、高いクォリティの力を使おうとすれば、それに見合った時間か霊力が必要
って事か、まあ、俺の能力の共有は忘れてくれ。じゃ、外界に行くぞ」

閃輝は能力の微調整が、終了したようで能力を発動し、一枚のカードを取り出した

「行くぜ、スペルカード・・・速限『速度の海を統べる者』」

スペルカードを発動したと同時に、閃輝とシャルロットは、淡い蒼い光に包まれ
閃輝はシャルロットの手を握って、一気に加速した。

「ってはやいぃいい!!?」

シャルロットはあまりの速さに声を上げる、その間にも、速度は上昇し遂に
光速を突破し博麗大結界を越えて、IS学園の閃輝とシャルロットの室に転移にしていた

「ふへぇ~・・・何時の間にかIS学園に着いてるよ・・・」

シャルロットは閃輝の能力の凄さを改めて実感していた
閃輝は荷物を適当な所に置いた。

「おい、さっさと着替えて山田先生の所行って来い。書類なんかは闇兄がやったらしい」
「あ、うん!」

閃輝はシャルロットが着替えるために、部屋を出て教室に向かった
廊下をさっさと歩いて教室に到着した閃輝は、本を取り出して読み始めた。
因みに本のタイトルは『違う世界』

閃輝は読書を楽しんでいると、箒とセシリアが近づいて来て、箒は強く机を叩いた

「閃輝!お前、何所に行っていたのだ!!?」

箒は何故か、閃輝が休みに家に帰っていただけ出るのに怒りを露にしている
そんな箒を、セシリアは抑えていた。

「お、落ち着いてください箒さん」
「煩い、黙っていろ」

箒に閃輝は流石にイライラしてきたのか、閃輝は声を下げて威圧するように声を出した
その声は、教室に居る、他の女子達も背筋が凍りつくような声だった。
それをまともに受けている箒は身体が動かせなかった。

「先程黙って聞いていれば、俺はお前に行動を制限される筋合いは無い
俺の行動は俺の意思で決める。他人であるお前如きが口を出すな」

一つ一つの口調が強く、相手を今にも壊すような雰囲気を漂わせており
箒は恐怖しか感じなかったというより、感じる事が出来なかった。

が、次の瞬間、閃輝は後ろから誰かに抱きつかれた

「はいはい、そこら辺にしとけよな、閃輝♪」
「魔理沙姉・・・解ったよ」

抱きついたのは勿論の事、魔理沙であった
閃輝は魔理沙に言われて、声を元に戻して、リラックスした。

「落ち着いたよ、魔理沙姉」
「うんうん♪」

魔理沙は閃輝の頭を撫でて、教室の後ろで壁に寄り掛かっている、闇夜の隣に着いた
箒は、漸く身体を動かす事が出来、自分の席に着いた。千冬と麻耶が来たからだ
他の生徒に自分の席に着いた。そしてSHRが始まった

「ええ~っと・・・今日は転校生?ッて言うのかな・・・」

教室でSHRの真っ最中
千冬の横で副担任の麻耶が困惑していた、心なしか疲れているようにも見える

「では入って来てください」

麻耶がそう言うと、ドアが開き誰かが教室に入ってきた
入ってきたのは女子の制服を身に纏ったシャルロットだ

「シャルル・デュノア改めましてシャルロット・デュノアです、宜しくお願いします」
「「「「「ええぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」」」」」

教室に女子達の驚きの声が轟く、その声の大きさと衝撃で窓ガラスは、大きく揺れている

「何!?美男子は美少女だって事!?」
「ええ~・・・」
「ちょっと待って!昨日って男子が大浴場使ったよね!?」

その言葉にクラス全員から睨まれる、閃輝だが、当の本人は先程まで幻想郷にいたので
完全に濡れ衣である。勿論、レミリアとさとりはその事をしっかりと解っているので睨んでいない。寧ろ、他の女子を呆れた様子で見ている

「何を言ってる?俺は先程帰ってきたんだ、どうやって此処の風呂に入るんd
「一ぃぃぃぃいいいい夏ぁぁぁぁぁああああああ!!!!」・・・また煩いのが」

1組の教室に飛び込んできたのは、怒りを露にしている甲龍を纏った鈴
しかも衝撃砲を発射状態にしている。そしてそのまま発射した。
が、閃輝の前にラウラが素早く、移動してシュヴァルツェア・レーゲンを展開し
衝撃砲を完全に無効化した。

「感謝する、ありがとう」

閃輝は素直にラウラに、礼を言ったが、何故かラウラは顔を赤くし
身体を少しモジモジさせている。そして座っている閃輝に抱きついた。

「あ、貴方を私のお兄様にします!決定事項です!異論は認めませんから!!」

ラウラは顔をかなり赤くして言い切ったが、その言葉に教室の空気は死んだ。
闇夜と魔理沙、レミリアとさとりも少し、ぽかんっとしていたが直ぐに再起動してラウラに言葉を放った

「ちょっと待てよ!なんでそうなるんだ!?」

魔理沙は驚きながらそう言った、ラウラは閃輝に抱きついたまま、魔理沙の方を
向いて口を開いた。

「私は霧雨 閃輝という大きな存在に救われたからです、まるで私を優しく包み込むベールの様に・・・だからです、魔理沙お姉様」
「お、お姉様!?・・・悪い気分じゃないぜ・・・///」

魔理沙はお姉様と呼ばれて満更でもないのか、帽子を深く被って頬を欠いている
それを見た闇夜は、閃輝に言葉を投げかけた。

「まあ、俺はなんとも異論は無いが・・・まあ、閃輝はどう思う?」
「俺は別に良いと思うけど、どう思うかなんて彼女の自由だし。俺は俺が認めたものの
全てを受け入れて護るさ」

閃輝はそう言い切った、それが閃輝の夢でもあるからだ。自分が護りたいと思ったものを
自分の全力の力で護ってみせる、それが閃輝の夢だから、閃輝はラウラの頭を撫でた。

「宜しくな、俺の妹」
「お兄様・・・はい!改めてお願いします!私のお兄様になってください!」
「ああ、OKだ」

閃輝はそれを了承すると、ラウラは嬉しそうに閃輝に更に強く抱きついた
一時的には、敵と認めたが、閃輝は彼女が本心からそう思っている事を感じ取り
ラウラを受け入れる事にした。レミリアはフランを、さとりは自分の妹であるこいしが頭を過ぎった。二人も閃輝の事を兄と慕っているからだ

が、それを良く思わない者達が居た。
閃輝は後ろから、何かが飛んでくるのを感じ、ラウラをお姫様抱っこして、横っ飛びして
それを避けた。

「オホホホホ、外してしまいましたわ」

それを撃ったのはセシリアだった、しかもISを纏い、更には箒は何所からが取り出した刀を握っていた。

「お、お兄様・・・///いきなりこんな事をされては・・・恥ずかしいです///」

ラウラはお姫様抱っこされているのが恥ずかしいのか、顔を赤くしている

「すまないが少し我慢してくれ」

閃輝はラウラに謝って、めんどくさくなったのか走って教室から出て行った

「「「待て~!!!!」」」

箒、セシリア、鈴は怒りに任せて、そのまま閃輝を追う。それを見たシャルロットは

「あはは・・・こういうのを修羅場って言うのかな?」 
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