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ドリトル先生と不思議な蛸

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第二幕その一

                第二幕  三重県へ
 先生が動物の皆と一緒に夏休みのはじめに鳥羽に行くと聞いてでした、王子は先生のお家でそれはというお顔になって言いました。
「いいいところに行くね」
「そうだね」
「三重県なんてね」
「三重県もいいところだね」
「その鳥羽にしてもね」
 それにというのです。
「伊勢もね」
「それでなんだ」
「夏休みになったら」
「すぐにだよ」
「鳥羽に行くんだね」
「そしてね」
「その蛸を探すんだね」 
 王子は先生に麦茶を飲みながら言いました、よく冷えている麦茶がとても美味しくてもう三杯目です。
「そうするんだね」
「そのつもりだよ」
「それでなんですが」
 トミーも先生に言ってきました。
「先生はもうその赤くない蛸のことは」
「ほぼ間違いないと思う位にね」
「察しがついておられるんですね」
「そうなんだ」
 もう既にというのです。
「間違いないという位にね」
「そうですか」
「ただね」
「ただ?」
「今回は危ないともね」
「思われていますか」
「だから皆にも言ったんだよ」
 動物の皆にもというのです。
「今回は特に気をつけて欲しいとね」
「そうなんですね」
「うん、学問には危険が共にある場合もあるから」
「それは言えますね」
「そうだね、危ない場所に行くこともあれば」
 先生はトミーに麦茶を飲みながらお話しました。
「危険な生きものに近付くこともあるし」
「危険なものにも」
「だからね」
 そうした時もあるからだというのです。
「気を付けないといけない時はね」
「気を付けてですね」
「しないといけないんだ」
「そういうことですね」
「だからね」
 それでというのです。
「今回はね」
「気を付けて」
「やっていくよ」
「そこがわかっているのも先生だね」 
 王子は笑顔で言いました。
「流石と言うべきか」
「いや、化学の実験で普通だからね」
 先生は王子にすぐに答えました。
「塩酸も硫酸も使うね」
「危険なものをね」
「火だって使うし」
「ニトログリセリンを作ったりもするね」
「そうしたものだし医学でもね」
 本職であるお医者さんのお話もします。
「命が関わっているから」
「危険なこともね」
「あるからね」
 だからだというのです。
「気を付けるべきことはね」
「気を付けてだね」
「そのうえでやらないといけないよ」
「そうしたものなんだね」
「そうだよ、だからね」 
「先生も気を付けるべき時は気を付ける」
「そうしているよ、命が関わるから」
 それだけにというのです。 
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