本当の親子の様に
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第二章
「キーノもな」
「そのコーダと一緒にいてね」
「いつもそうしてな」
「とても優しい目だから」
「僕達も見ていて嬉しくなるな」
「そうよね」
「若しも」
妻はさらに言った。
「キーノが優しい娘じゃなくてコーダに気付かなかったら」
「コーダはうちに来ることはなくて」
「どうなっていたか」
本当にというのだ。
「わからないわ」
「そうだよね」
「そのことも思ったら」
それこそとだ、妻は夫に話した。
「キーノはコーダのお母さんよ」
「生きものの種類は違っても」
「それでもね」
「親子か、二人は」
「そうなるわ」
「キーノもそう思ってるか?」
夫はキーノにも声をかけた、見れば。
キーノは横になっていてそこにコーダが寄り添っている、そうして一緒にいる。そのキーノに声をかけたのだ。
「コーダは自分の子供だって」
「ワン」
キーノは尻尾を振って鳴いて応えた、その声を聞いて。
夫は今度はコーダを見てそうして彼にも問うた。
「キーノはお母さんか?」
「ニャア」
コーダも鳴いて応えた、明るい顔で。二匹の返事を聞いて夫は納得してそうして妻にあらためて話した。
「そうみたいだな」
「そうね、人間でも血がつながっていなくてもね」
「絆で親子になるしな」
「だから犬と猫もね」
「絆で親子になるんだな」
「そしてそれぞれを想う気持ちでね」
「そうなんだな、だから僕達も」
夫は今度は二匹を同時に見て妻に言った。
「この子達の親なんだな」
「キーノとコーダは親子ね」
「この子達は僕達の子供だな」
「そうなるわ、だから大切にね」
「一緒に暮らしていくか」
「そうしていきましょう」
妻は夫の言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
二匹のそれぞれのご飯をあげた、すると二匹は仲良く並んでご飯を食べた。その姿はまさに親子のそれだった。
本当の親子の様に 完
2021・2・18
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