レーヴァティン
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第百九十話 空からの急襲その四
「けれどな」
「頭が極端に大きいとですね」
「そうなると、ですね」
「身体が動きにくい」
「そうなりますね」
「身体もしっかりしないとな」
そうでなくてはというのだ。
「人間もしっかり動けないだろ」
「はい、確かに」
「その通りです」
「我々にしてもそうですね」
「頭だけでもです」
「バランスが悪いです」
「それがこの国だな」
北の大国だというのだ。
「王様に権限が集中していてな」
「全ては王の命で動く」
「それこそ国家の全てが」
「そうした国ですね」
「この国はまさに」
「だからな、こうした時はな」
肝心の王が襲われようとして指揮系統が乱れればというのだ。
「もうな」
「動けなくなる」
「敵の将軍も」
「そして士官も下士官も」
「指揮をする者達も」
「そうさ、それにこの国の将軍も士官もな」
今度はこの者達の話をした、北の大国の軍も軍隊であるからにはそうした立場の者達が存在しているのだ。
「王の命にないことはな」
「動けない」
「絶対に」
「そうした状況ですね」
「まさに」
「ああ、そしてな」
それに加えてというのだ。
「連中の殆どは字が読めないな」
「そうですね」
「王の命もです」
「例えあってもです」
「それは官吏が読みます」
「それか聖職者が」
「この国はそうした国なんだよ」
貴族といえど無学な者が多いというのだ。
「それで今こうした状況だとな」
「例え命があっても」
「それが官吏か読まないとですね」
「聖職者もいなければ」
「動けない」
「読める者がいなければ」
「それで混乱しているからな」
王とその周りがだ。
「官吏も聖職者もな」
「字が読める者達もですね」
「右往左往していて」
「それで、ですね」
「王の命があっても伝えられない」
「動けないのですね」
「だから命だけが届いてもな」
それだけは何とかそうなってもというのだ。
「やっぱりな」
「将軍も士官殆どが字を読めないので」
「それで命通りに動けない」
「そうした状況ですか」
「だからな」
このこともあってというのだ。
「今敵軍は動けないんだよ」
「それで、ですね」
「我々に攻めることもない」
「まずそれはない」
「そうあのですね」
「ああ、だから念の為に守りは固めていてもな」
このことは怠らないがというのだ。
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