オズの木挽きの馬
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第十一幕その三
「殿もな」
「おお、才蔵か」
「うむ、この子達がだな」
その人は恵梨香達を見て言いました。
「オズの国の名誉市民の子達だな」
「そうだ、お主も名乗れ」
「霧隠才蔵」
男の人は微笑んで名乗りました。
「以後覚えておいてくれ」
「うわ、十勇士きっての美形と聞いていましたけれど」
恵梨香は才蔵も観て言いました。
「本当にそうですね」
「そう言ってくれるか」
「実際にそうですから」
「人は顔ではないがな」
「それはそうですが」
「その言葉は有り難く受けさせてもらうか」
「そうして下さい、そして」
恵梨香は才蔵さんの後ろに出て来た人達も観ました、そうして言いました。
「他の十勇士の方々もおられますね」
「おう、また会ったな」
清海さんが笑顔で挨拶してきました。
「これも縁だな」
「全くだ、皆の者この子達だ」
小助さんは一緒にいる人達に言いました。
「わし等が会ったのはな」
「そうですか、賢そうな子達ですね」
清海さんと同じくお坊さんの恰好ですが雲水姿で穏やかな顔立ちの人が応えました。
「どうも」
「そうであろう」
「三好伊佐入道と申します」
お坊さんはご自身から名乗りました。
「十勇士の末席にいます」
「わしの弟じゃ」
清海さんが言ってきました。
「わしに似ず穏やかで思慮深いぞ」
「いえいえ、兄上にはいつも助けて頂いて」
「いつもこう言ってくれるのだ」
「二人共かなり頼りになるぞ」
灰色の忍装束で黒髪を伸ばした痩せた人が出てきました。
「まことにな」
「そう言う貴方は」
「由利鎌之介という」
恵梨香に笑顔で名乗りました。
「鎖鎌なら任せておけ」
「お名前の通りですよね」
「ははは、そうであるな」
「ええ、本当に」
「根津甚八という」
白い覆面を取ると精悍なお顔立ちでした、黒い忍装束に刀があります。
「得意なのは剣術だ」
「十勇士一の剣豪ですしね」
「おお、お嬢ちゃんは知っているか」
「十勇士の皆さんのことは」
恵梨香は甚八さんにも笑顔で答えました。
「漫画やゲームで」
「そうしたものでか」
「小説でも出ていますし」
「そうであるか」
「わし等も有名なのだな」
大柄で赤い忍装束を着ていて岩みたいなお顔立ちの人でした。
「そうなのだな」
「そういう貴方は」
「知っているか」
「はい、望月六郎さんですね」
「そうだ、わしは望月でな」
「わしが海野六郎だ」
黒髪が立っていて大きな目の水色の忍装束の人でした。背は佐助さんより少し低い位です。
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