オズの木挽きの馬
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第十一幕その一
第十一幕 幸村さんと十勇士達
一行は牧場への道を進んで行きます、帰り道もとても素晴らしいものでした。
その中で木挽きの馬は恵梨香に尋ねました、その尋ねることは何かといいますと。
「幸村さんと十勇士の人達だけれど」
「あの人達がどうしたの?」
「恵梨香は大好きなんだよね」
「ええ、大好きよ」
恵梨香は木挽きの馬に答えました。
「私はね」
「それで日本人の多くの人達もだね」
「あの人達は好きよ」
「そうなんだね」
「本当に日本人にとってはね」
「ヒーローなんだね」
「そうした人達の中にいるの」
幸村さんと十勇士の人達はというのです。
「強くて勇敢で義理堅くてね」
「恰好いい人達なんだね」
「最後は負けたけれど」
それでもというのです。
「凄く恰好いい人達だから」
「日本では人気があるんだ」
「そうなの」
「成程ね」
「何か日本人って最後負けた人好きね」
ガラスの猫がこのことを指摘しました。
「ふと思ったけれど」
「源義経さんとか?」
「あの人も最後負けたわね」
「そうね、あの人も」
「あと楠木正成さんって人も」
「最後はね」
「西郷隆盛さんもよね、最後負けた人をね」
日本人はというのです。
「好きよね」
「そこが悲しくてね」
「心が動くの」
「そうなの、どうしても」
それでというのです。
「人気が出るのだと思うわ」
「そうなのね」
「強くて立派でもね」
「最後は力尽きてっていうのね」
「そして最期も恰好いいと」
それならというのです。
「日本人は好きになるの」
「そうなのね」
「華々しく最期まで勝って恰好いいよりもだね」
モジャボロも恵梨香に言います。
「日本人は最期は、なんだね」
「そうです、負けてです」
「それでも立派に去るのが好きなんだね」
「そうしたところがありますね」
「成程ね」
「最後まで勝つのがヒーローというのがね」
弟さんはアメリカにいた時のことを思い出して恵梨香にお話しました。
「アメリカだけれど」
「そこは日本は違いますね」
「そうだね」
「ええ、ただ」
「ただ?」
「やっぱり負けても生きていたら」
それならとです、恵梨香は弟さんにお話しました。
「嬉しいです」
「幸村さんもそうだし」
「本当に大坂の陣で生きていてよかったです」
「オズの国にある日本の街がそのまま大阪だけれど」
このことはグリンダが指摘しました。
「大阪では昔戦いもあったのね」
「そうだったんです」
「大阪にもそうした歴史があったのね」
「物凄く大きな戦いでして」
「幸村さんもお亡くなりになった」
「そう思われた位で歴史ではそうなっています」
そう書かれているというのです。
「立派な最期だったって」
「十勇士の人達は息ていたのかしら」
黄金の羊はこのことについて思いました。
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