四ヶ月を乗り越えて
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第一章
四ヶ月を乗り越えて
この時ロナルド=ルイスアフリカ系の男性である彼は困り果てていた。それでヒューストンにある施設にだ。
非常に申し訳なさそうな顔で頼み込んだ。
「絶対にです」
「お家を見付けてですか」
「そうしてですか」
「こいつをまた引き取りに来ます」
隣にいるピットブル、白い毛で垂れ耳で顔の左右だけが茶色であるその犬を見ながら話した。
「タイタスを」
「だからですか」
「暫くこちらで預かって欲しいのですね」
「少しの間」
「はい、絶対に戻ってきます」
だからだというのだ。
「何があっても」
「元々うちで保護されていた子です」
「ですから引き取ることはいいですが」
「しかしです」
「本当にですか」
「戻ってきます」
ルイスは施設の人達に約束した。
「タイタスは家族ですから」
「だからですね」
「絶対に戻って来て」
「そうしてですね」
「こいつとまた一緒に暮らします」
こう言ってだった。
ルイスはタイタスを強く抱き締めてから施設を後にした、彼を見送った施設の人達はタイタスを見ながら話した。
「ちょっとな」
「戻って来るとは思えないですよね」
「どうにも」
「ルイスさんも」
「ああ言って戻って来ない人多いから」
だからだというのだ。
「どうしにもな」
「確かにここでこの子引き取ってくれましたけれど」
「そうしてくれましたけれど」
「雄のピットブルのこの子を」
「そうしてくれましたけれど」
「アメリカではピットブルって人気ないですが」
アメリカでも犬の種類によって人気のあるなしがある、今のアメリカではピットブルは人気がないのだ。
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